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CBREが投資市場動向(2019年第3四半期)を発表

CBREは本日、2019年第3四半期(Q3)の投資市場動向(Japan Investment MarketView)及び第65回「不動産投資に関するアンケート ‐ 期待利回り」(CBRE Japan Cap Rate Survey) の最新調査結果を発表しました。

2019 年 11 月 14 日

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マーケティング&コミュニケーション

日本の投資額は7,720億円、対前年同期比14%増

1月~9月の累計投資額は2.5兆円で、対前年同期比6.7%増加
来期(第4四半期)も大型案件の成約が見込まれ、2019年の年間投資額は昨年を上回る見込み

 

CBRE(日本本社:東京都千代田区丸の内)は本日、2019年第3四半期(Q3)の投資市場動向(Japan Investment MarketView)及び第65回「不動産投資に関するアンケート ‐ 期待利回り」(CBRE Japan Cap Rate Survey) の最新調査結果を発表しました。

 

■ 世界の投資市場
2019年Q3の世界の商業用不動産投資額は対前年同期比2%減
今期(Q3)の世界の事業用不動産投資額は、対前年同期比2%減の2,600億米ドル(約28兆円1)。Q1~Q3の累計投資額も同5%の減少となりました。前年に比べて企業買収ならびに大型取引が減少したことが主因です。

地域別に見ると、米州の今期投資額は1,480憶ドル(約16兆円)で前年同期比7%減、欧州・中東・アフリカ(EMEA)は770憶ドル(約8兆円)で同5%減少しました。累計投資額でも3%、13%、それぞれ減少しました。政治不安、低利回り、景気後退に対する懸念が背景にあると考えられます。一方、アジア太平洋地域(APAC)の今期投資額は340億米ドル(約4兆円)で、同49%増、累計投資額では6%増加しています。 2019年の年間投資額は2018年から数%程度減少すると考えられます。英国のEU離脱問題や貿易問題などによる景気後退懸念があったものの、消費の底堅さや低金利を背景に、これまでのところは投資額の大きな落ち込みは抑えられています。ただし、企業の姿勢がやや慎重である中、企業買収や大型の取引が増えるとは考えにくく、投資額が前年を上回る可能性は低いでしょう。

 

■ 日本の投資市場
2019年Q3投資額は2期連続で前年同期を上回る
今期(Q3)の事業用不動産の投資額(10億円以上の取引が対象、土地取引およびJ-REITのIPO時の取得物件は除く)は対前年同期比14%増加の7,720億円、2期連続で前年同期を上回りました。投資主体別で最も大きかったのはJ-REIT(42%)でしたが、投資額は前年同期からほぼ横ばいとなりました。前年に比べて投資額が最も増加したのはJ-REIT以外の国内投資家で前年同期比80%増、一方で海外投資家は同25%減少しました。アセットタイプ別では、オフィスを除く主要アセットタイプ全てが前年同期を上回りました。増加率が最も大きかったのは商業施設で同153%増の1,580億円、次いでホテルが同53%増の1,320億円でした。いずれのアセットも、J-REITならびにその他国内投資家による取得が伸びを牽引しました。

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■ 期待利回り2
オフィス期待利回りは東京(大手町)と福岡を除く全都市で低下
CBREが四半期ごとに実施している「不動産投資に関するアンケート 期待利回り(2019年10 月時点)」によれば、東京の期待利回り(NOIベース)の平均値は、物流施設、マンション(ワンルーム)、ホテル(運営委託型)で低下、その他のアセットタイプは横ばいとなりました。地方都市のオフィス期待利回りは福岡を除く全都市で低下。福岡をふくめ、いずれの地方都市も過去最低水準です。

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■ CBRE短観指数
首都圏物流施設に対する投資家の市況感は引き続き改善
2019年10月時点の東京Aクラスビルを対象としたCBRE短観指数(DI)は、「金融機関の貸出態度」と「NOI」が前期より改善、その他の項目は悪化しました。悪化の理由は、「不動産取引量」については「減少」の回答率が増加し、その他の項目では「前期と変わらない」の回答率が増加したためです。一方、物流施設(首都圏、マルチテナント型)のDIは、「不動産取引量」と「売買取引価格」を除く全項目で改善しました。特に「空室率」は6期連続で、「賃料」は4期連続で改善しています。

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■ 注目トレンド
来期も大型案件の成約が見込まれ、年間投資額は2018年を上回ると予想
2019年のQ1からQ3までの累計投資額は2.5兆円で、対前年同期比6.7%増加しました。取引件数は前年同期を12%下回りましたが、100億円以上の比較的大型の取引件数が同17%増加したことが、投資額の増加につながりました。年末にかけて、さらに複数の大型案件が成約することが見込まれているため、年間総投資額は2018年を上回ると考えられます。

 

CBRE リサーチ ディレクター本田あす香は、次のように述べています。「良好な資金調達環境に変化はみられず、海外投資家の日本の不動産への関心も弱まる気配がない。利回りは既に過去最低水準にあるため、さらなる低下の余地は限定的なものの、案件によっては既存の水準をさらに下回るものも出てくると考えられる」

 

▼投資市場の解説詳細は本日(11月14日)発刊の下記レポートでご覧いただけます。
◇「ジャパンインベストメントマーケットビュー 2019年第3四半期」
◇「不動産投資に関するアンケート – 期待利回り 2019年10月」
https://www.cbre.co.jp/ja-jp/research-reports/investment-reports

▼投資マーケット関連レポート
【2019年10月15日発表】 ビューポイント - 日本発のアウトバウンド不動産投資 2019年上期
【2019年6月13日発表】 ジャパン特別レポート - レンダーアンケート 2019

 

∇脚注
1. 投資額は2019年Q3の平均為替(107.34円/ドル)で集計。取引には企業買収含む。
2. レンジ下限値と上限値の平均。調査開始年 2003年7月:オフィス、賃貸マンション、2009年1月:商業施設、ホテル、物流施設

 

不動産投資に関するアンケート ‐ 期待利回り(CBRE Japan Cap Rate Survey)概要

  1. 調査目的
    期待利回り水準等の把握に資する参考データの収集・分析のため
  2. 調査方法及び調査期間
    メールにより送付
    2019年9月11日~10月9日(ただし、締め切り後に到着した回答についても集計対象とした)
  3. 調査対象及び回収率

    - 対象者数:153名(社数:150社)
    - 回答者数:128名(社数:126社)
    - 回収率:83.7%(社数回収率84.0%)

  4. ご回答者の属性
    アレンジャー、レンダー(シニアを主とする)、レンダー(メザニンを主とする)、デベロッパー・不動産賃貸、アセットマネージャー(J-REITを主とする)、アセットマネージャー(J-REIT以外を主とする)、エクイティ投資家、その他
  5. 調査結果の公表について
    調査実施項目のうち一部の結果のみ下記レポートにて公表
    「不動産投資に関するアンケート – 期待利回り 2019年10月」(CBRE Japan Cap Rate Survey)
    https://www.cbre.co.jp/ja-jp/research-reports/investment-reports

 

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