強まる拡張と先進化ニーズ

2022年のCBRE物流施設利用に関するテナント調査(2022年3月実施)からは、昨年までの調査で明らかになったテナント企業の傾向、すなわち物流網の拡張と先進化のニーズが全体として継続し、強まっていることがわかった。

中期(今後3年間)において優先ないし重視する施策について聞いたところ、多くのテナント企業(56%)が「物流拠点の新設ないし面積・拠点数の拡張」を挙げ、3社に1社は最も重視する施策として挙げた。物流施設に対するテナント需要が今後も安定して推移することを示唆する結果となった。

続いて「機械化・自動化」や「従業員の就労環境・安全性整備」といった労働力不足への対応が重点施策の上位にきている。「既存施設や設備の改修」も比較的多くの企業が施策として挙げたことからも、引き続き物流施設の省人化・効率化に対する関心が強いことが確認された。

「輸送・配送ネットワークの強化」、「施設の統廃合・再配置」を重点施策として挙げた企業も多かった。テナント企業は、従来からの労働力不足の課題に加えて、トラックドライバーの労働時間がより厳格に規制される「2024年問題」に直面しており、最近では燃料費などのさらなるコスト増の負担を強いられている。このような事業環境を背景に、より効率的な配送を実現するための物流網の見直しが進んでいることが調査結果からも読み取れる。

「ESGへの取り組み」を重点施策として挙げるテナント企業は多くなかったが、その割合(14%)は昨年の調査(8%)から増加した。環境性能に関する設問に対する回答からも、企業の環境対策への意識は高まっていると言えそうだ。