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ジャパンビューポイント ー オーナーの柔軟性が、 リテーラーを救う 2023年2月

2023 年 02 月 09 日

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  • 売り上げ回復を背景に、主要なリテールエリアに路面店舗を出店したいというリテーラーのニーズが増えている。ただし、経済の先行き不透明感が今後も続くとみられるため、出店に関わる賃貸条件に対して、慎重姿勢をみせるリテーラーが少なくない。
     

  • 資源価格の高騰や円安の影響で上昇する物価に対して、賃金の伸びが追いついていない状況が続けば、消費が底割れする懸念が高まる。そのためリテーラーは、新たな実店舗を出店する際に、目標とする売り上げが達成できるか否かを不安視している。
     

  • このような中、オーナーが柔軟性を持つことで出店ニーズのあるリテーラーが出店しやすくなると言えるだろう。CBREが実施するオーナーアンケートによると、オーナーが実施または実施を検討する施策として回答割合が最も高かったのは「フリーレントをつける」(63.1%)だった。
     

  • さらに、リテーラーとの契約に盛り込むことを検討する項目については、回答割合が最も高かったのは、「契約期間の短縮」(36.9%)だった。初期投資コストの回収が可能な、最も短い期間の契約を求めるリテーラーが一定数いることが伺える。実際、コロナ禍以降は、契約期間5年、解約不可期間3年という、コロナ禍前に比べて短い定期借家契約がみられるようになっている。