レポート | 変化する働き方
人的資本経営時代のオフィス戦略
オフィス利用に関する意識調査2023
2023 年 10 月 11 日
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CBREは、2023年7月に、ポストコロナのオフィス戦略について企業に対してアンケート調査を実施した。本レポートでは、この調査結果に基づき、「働き方」、及び、「オフィスの拠点戦略」の視点から分析し、考察を行ったものである。
調査結果は以下の通り:
-働き方
- 現在の出社率は平均で7割。今後の想定も7割で、すでに出社率はポストコロナの巡航状態にある。一方で座席数は平均で従業員数の9割を用意する予定。つまり、今後の執務スペース削減の余地は限定的。
- また、執務スペースを削減するとしても、「個室・会議室、ミーティングスペース」や「パブリックスペース」に転換する意向。コミュニティハブとしてのオフィスの機能を強化する意向がうかがえる。
- 出社率を抑えることがオフィス面積削減に直結しないことを裏付けるように、面積の増減意向は、増床24%に対して減床21%で、やや増床意向の割合が高い。そして減床するとしても、一部はフレキシブルオフィスの需要に転換されそうだ。
-オフィスの拠点戦略
- 事業環境の改善見通しを背景に、現ビル内での増減床・レイアウト変更を予定する企業(19%)よりも、移転を検討する企業の方が多い(24%)。
- 移転先ビルを選定する際の最重要項目は、「立地」。そして立地選定の際の重要項目は、「従業員の通勤利便性」。背景には、人材獲得競争で優位に立とうとする狙いがある。
- 移転先ビルを選定する際の重要度は、企業規模によって乖離が大きい項目もみられる。企業にとって必須の条件でなくても、移転先のビル選定に影響を与える項目や、利用して初めて利便性に気づき、そのビルに居続けたいと思わせる項目もあるだろう。したがって、重要度の回答率が高くなくても、軽視しても良いわけではない。