レポート | インテリジェント・インベストメント
レンダーサーベイ2025:日本
2025 年 06 月 30 日 読む所要時間:約10分
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CBREでは毎年、不動産融資を提供する企業を対象としてアンケート調査(「レンダーサーベイ」)を行っている。今年4~5月に実施した2025年調査では、2024年度(2024年4~2025年3月)の融資実績および2025年度の見通しについて聞いた。調査実施期間は米国の通商政策を取り巻く不透明感が高かった時期と重なったが、金融機関の融資姿勢に特段大きな変化は見られず、緩和的な融資環境の継続を示す結果となった。
2024年度の融資実績のうち「新規取得向けが100%」(金額ベース)だったと回答したシニアレンダーは32%と、前年度25%から増加。メザニンレンダーは45%と前年度50%から低下したが、依然高水準にある。融資条件について、シニアレンダーが要求するスプレッドは安定的に推移する一方、メザニンレンダーでは上昇傾向。選好するアセットタイプでは、昨年に引き続き賃貸マンションがトップとなった。
2025年度の見通しに関して、シニアレンダーの半数が2025年度の融資額は前年度から「増加する」と予想し、残り半数が「変わらない」とした。メザニンレンダーでは、増加を見込む割合は35%と前回60%から低下した。向こう1年のスプレッドの見通しでは、シニア・メザニン共に「上昇する」の回答割合が前回調査から増加したが、上昇幅は25bps未満に留まる、との見方が優勢だ。
リスク要因に関する質問では「金利上昇」の回答が昨年に引き続き最大となったが、回答割合は6割と昨年8割から低下した。また「景気後退懸念」の回答が昨年から増加した。2025年度中、レンダーは1~2回の追加利上げを想定しており、緩やかな金利上昇の継続が融資の前提となっている。