レポート | インテリジェント・インベストメント

レンダーサーベイ2024:日本

2024 年 07 月 02 日

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CBREでは毎年、不動産融資を提供する企業を対象としてアンケート調査(「レンダーサーベイ」)を行っている。今年4~5月に実施した2024年調査では、2023年度(2023年4~2024年3月)の融資実績および2024年度の見通しについて聞いた。その結果からも、融資環境が引き続き緩和的であることが確認された。


具体的に、2023年度の融資実績のうち「新規取得向けが100%」だったと回答したシニア・メザニンレンダーはそれぞれ25%と43%で、前年から増加した。レンダーは2023年度も変わらず新規の不動産取得案件に積極的に取り組んでいたとみられる。LTVやスプレッドといった融資条件も概ね横ばいないし若干緩和しており、特にホテル向け融資に対するレンダーの姿勢が大幅に改善したようだ。


今後の見通しに関して、2024年度の融資額が2023年度よりも「増加する」と回答したレンダーはシニア・メザニン共に約6割と、昨年の調査結果を上回った。融資条件や不動産価格に関するレンダーのセンチメントもポジティブで、不動産投資市場を後押しする方向にある。


一方、向こう1年の金利環境の見通しを聞いたところ、回答者の8割が50bpsまでの追加利上げを想定しており、50bpsを上回る追加利上げを想定しているレンダーはいなかった。つまり、2024年調査で読み取れるレンダーの融資方針は「緩やかな金利上昇」を前提としている。これを上回るペースでの利上げが実施された場合には、レンダーが融資条件などを見直す可能性があると言えそうだ。