Intelligent Investment
データセンター流動化の黎明
2024 年 05 月 15 日
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金利の先高観が強まる中、データセンターの投資対象としての魅力がさらに高まると考えられる。主要アセットタイプに比べ利回りが高いことに加え、高めの収益成長が見込まれるためだ。
今後の需要拡大を見越し、首都圏や近畿圏ではデータセンターの開発計画は目白押しの一方、開発用地や電力の確保が難しくなっている。このため、北海道や九州など地方都市でも開発案件が増えてきている。
首都圏のデータセンターの需給は逼迫している。向こう3年間の供給量は過去3年間の実績を上回るものの、需給の緩みは限定的と予想。強い需要を背景に電力・建設コスト上昇分が転嫁できるとみられるため、データセンターの利用価格はゆるやかな上昇が続こう。
データセンターは、需要が景気変動の影響を受けにくく、長期の安定したキャッシュフローが見込める。 一方、収益安定化に時間を要し、Capexが高額で、リスクコントロールが難しく、テナント入れ替えの難度が高いという点には留意が必要。
データセンターへの投資にあたっては、主に直接投資、共同出資、M&Aの3つのアプローチがある。直接投資は土地・建物、設備など投資範囲に応じて運用形態が分かれ、それぞれリスク/リターンが異なる。共同投資やM&Aは、投資家とデータセンター事業者が互いの強みを活かせることや、早期にデータセンター事業へ参入できるメリットなどから、近年事例が増えている。