レポート | 変化する働き方
エンゲージメントを高めるオフィス
オフィス利用に関する意識調査2024
2024 年 12 月 11 日 読む所要時間:約15分
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CBREは、2024年7月に実施した「オフィス利用状況に関する調査」をもとに、従業員のエンゲージメント向上に資するオフィスの在り方を分析した。
調査結果は以下の通り:
1.オフィス改変の理由のトップは「従業員のエンゲージメント向上 」
オフィス改変の目的のトップは「従業員のエンゲージメント向上」。また今後のオフィス環境に対する投資額を「増やす」と回答した企業の割合は40%と、「減らす」の5%を大きく上回った。労働需給がタイトな中、より優秀な人材の採用、あるいは現在の社員のエンゲージメントを高めるために、オフィスの環境改善に投資しようとする企業が増えている。
2.エンゲージメント向上には、会社のビジョンが具現化されたオフィスと、労使双方によるオフィスづくりが重要
「エンゲージメント層」のオフィスに行く目的は、経営層が重視するオフィスの役割と一致している。また、エンゲージメント層は会社のビジョンに共感できることを重視している。オフィスは会社のビジョンを従業員に浸透させる上でも重要な役割を担っており、会社のビジョンが具現化されたオフィスは、エンゲージメント向上に欠かせない。また、従業員が働く場所や働き方を自己決定することは、自発的な貢献意欲や会社に対する愛着心をより一層高めることにもつながる。そのため、従業員が積極的に関与してオフィスづくりを進めることもエンゲージメント向上に寄与するだろう。
3.エンゲージメント向上の効果が最も高かったのは、ステークホルダーの相互理解を深めることを助けるスペース
オフィスに何らかの改変があった一般社員のほうが、エンゲージメント向上の効果が高かった。また、オフィス改変の中でも、「外部からの来訪者と使用する応接スペースや協働スペース」のエンゲージメントインパクトスコア(エンゲージメント向上の効果として表れた点数)が最も高かった。会社・従業員・顧客の3者のコミュニケーションを活性化し、相互理解を深めることを助けるオフィスづくりもエンゲージメント向上に重要と考えられる。
4.エンゲージメントを高めるオフィス以外の要素:従業員が成長を実感できる、または成長を支援する仕組み
オフィス以外の要素でエンゲージメントを改善する方策の一つが、従業員が成長を実感できる、または成長を支援する仕組みをオフィスに取り入れることである。エンゲージメントインパクトスコアの高かった、従業員同士や顧客とのコミュニケーション/コラボレーションスペース、カフェなどは、使い方次第で従業員の成長にも大きく貢献しうる。そして、従業員の成長を支援する仕組みを導入することは、エンゲージメントの向上にとどまらず人的資本の強化にもつながるだろう。