ジャパンロジスティクスマーケットビュー2024年第1四半期

首都圏では空室率が10％に近づく
近畿圏と福岡圏は空室率が低下、賃料の上昇傾向が鮮明

• 今期（Q1）の首都圏大型マルチテナント型物流施設（LMT）の空室率は9.7％、前期から0.4ポイントの上昇。新規供給は10棟／19.0万坪で、竣工時稼働率は5割を超えたが、新規需要14.8万坪は2023年の平均を下回った。築1年以上の物件の空室率（既存空室率）も4.4％と前期の2.7％から大幅に上昇し、2012年Q1以来、12年ぶりの高水準となった。外縁部を中心に既存物件の空室消化に時間がかかっている。Q1の実質賃料は4,500円／坪、対前期比で0.4％下落した。
• 近畿圏LMTの空室率は対前期比0.7ポイント低下の5.3％。新規供給3棟のうち2棟が満床、もう1棟も高稼働で竣工した。空室は一部の物件や郊外の一部地域に限られ、向こう2四半期に竣工予定の物件もプレリーシングが進んだことから、物件の不足感が強まった。実質賃料は4,160円／坪、対前期比0.7％と大きく上昇した。
• 中部圏LMTの空室率は対前期比6.0ポイント上昇の16.5％。今期の新規供給2棟が空室を残して竣工した影響。空室は弥富市以西の湾岸部に集中しているが、内陸部や愛知県東部では需給が安定している。実質賃料は3,630円／坪、対前期比横ばいだった。
• 福岡圏LMTの空室率は対前期比3.2ポイント低下の4.9％。新規供給4棟が満床ないし高稼働で竣工し、今期の新規供給、新規需要はともに四半期ベースで過去最高となった。実質賃料は3,470円／坪、対前期比0.6％上昇した。