Figure
ジャパンリテールマーケットビュー 2023年第3四半期
2023 年 11 月 06 日
このコンテンツのPDFをお探しですか?
東京・銀座の今期(Q3)のハイストリート空室率は対前期比3.2ポイント低下の3.5%。新たな空室の発生が限定的だった一方で、比較的大き目の区画を含む複数の空室で後継テナントが入居した。今期のハイストリート賃料は260,600円/坪と、前期比1.2%の上昇となり、コロナ禍直前の2019年Q4の水準を1.0%上回った。足下の需給タイトな状況を踏まえ、銀座ハイストリート賃料は今後も緩やかな上昇が続くとみられる。一年後の賃料は今期実績を2.8%上回ると予想する。
大阪・心斎橋の今期(Q3)のハイストリート空室率は対前期比0.6ポイント低下の2.8%。複数の空室が消化された一方、新たに発生した空室はみられなかった。路面店舗の需給がタイトになりつつある中、既存テナントの契約満了を機に、より売上が伸びているリテーラーへの入れ替えを計画する物件もみられた。今期のハイストリート賃料は204,000円/坪と対前期比5.7%の上昇で、コロナ禍直前の水準(2019年Q4、198,000円/坪)を3.0%上回った。
名古屋・栄の今期(Q3)のハイストリート空室率は4四半期連続の0.0%となった。同エリアでは依然として募集物件が極めて少ない状態が続いており、そのため総じて成約事例も少ない。今期のハイストリート賃料は71,000円/坪と、3期連続の横ばいとなった。引き合いが多く、募集物件が少ないという需給タイトな状況ではあるものの、売上やコストの想定に厳格なテナントが多いため、相場水準が引き上げられるような勢いは今のところ見られていない。