今、グロースの重心はどこにあるのか?
2026年2月、日本取引所グループは新たな株価指数「JPXスタートアップ急成長100指数」の構成企業を発表。「日本を代表する高成長スタートアップ企業で構成される指数」というコンセプトで、売上高成長率などの基準をもとに選ばれた100社は、日本の成長ベンチャーの勢いを映す鏡と言える。今回は特別編として、選出企業のエリア集積などの傾向を分析し、躍進を続ける企業の「今」を概観。さらに、その中から4社に取材し、成長を支えるリアルな拠点戦略に迫る。
■ JPXスタートアップ急成長100指数 選出フロー

データで読み解くスタートアップ100

■ 本社所在地の内訳(N=100)
まず100社の立地分布を見てみると、本社所在地は東京都に89社と一極集中し、そのうち港区34社・渋谷区16社だけで全社のちょうど半分を占める。エリア別では、大手町・丸の内を擁する千代田区よりも、赤坂・六本木・麻布台や渋谷駅周辺・道玄坂といった、再開発ハブやテック・クリエイティブ集積エリアが明確に選好されている格好だ。港区34社のうち六本木・赤坂・麻布台ゾーンに18社、渋谷区16社のうち渋谷駅周辺・道玄坂エリアに11社が集中しており、とりわけ麻布台ヒルズには、すでにラクスル、SHIFT、ボードルア、ベイカレントの4社、六本木ヒルズにも4社が入居するなど、都心随一のブランド力を備えた大型再開発タワーが、高成長ベンチャーの集積の核として機能している。
一方で東京都外に本社を置く11社の立地ロジックも示唆的である。大阪3社、愛知4社、千葉1社、静岡2社、福岡1社という内訳を見ると、そのうち6社は産業クラスター近接型の立地選択。東京都心集中とは明確に異なる傾向が表れている。
次に本社所在企業数において、全体の8割以上を占める東京の6つの区について、売上高成長率の企業平均を見てみよう。成長率が比較的高いのは、IT ベンチャーのイメージが強い港区・渋谷区を凌ぎ意外にも新宿区で、平均48.0%・中央値45.2%と他区を引き離す。そのうち半数をサービス業が占め、 マーケティングDXのエフ・コードの123.3%を筆頭に、コンサル・DX支援型の急成長企業群が平均を押し上げている。
一方で業種構成にも注目すると、多様性が際立つのは中央区と千代田区。中央区は情報・通信業約4割に医薬品約2割、千代田区は保険業や証券・商品先物等の成熟業種が4割弱を占める。特に千代田区においては、成長率のけん引役となっているのが、不動産業の霞ヶ関キャピタル(66.8%)、フィンテックのFinatextホールディングス(41.4%)、M&A仲介・PE投資のインテグラル(35.9%)と、業種自体は異なるものの、いずれもファイナンスとの親和性が高い企業。金融街である丸の内・大手町を擁する千代田区らしさが表れている。
順次公開予定
株式会社RightTouch 代表取締役 野村 修平氏
株式会社GA technologies Corporate Affairs & Talent Management 本部長 奈良 諭志氏
株式会社TWOSTONE&Sons 代表取締役COO 高原 克弥氏






