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更新日 : 2026年10月06日掲載日 : 2026年10月06日
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品川━名古屋間・最速40分の実現へ、大きな動きがあったリニア中央新幹線。計画の延期を、官民の練り直しで力に変えようとする名駅再開発。名古屋の未来図は、今、確かな輪郭を結びつつある。名古屋の次の10年を形づくる二つの動きを、期待を込めて読み解く。

“未定”を好機に変える新展開

官民一体で描く名駅の青写真

名駅エリアの将来像を語るうえで外せなかったのが、国内最大級の民間再開発「名古屋駅地区再開発計画」である。総事業費約8,880億円(2025年5月の事業化決定時点)※1とされていたこの計画が今、大きな踊り場にある。名古屋鉄道は2025年12月、人材確保難により施工予定者から入札辞退があったとして、2026年度の解体着工から竣工まで全スケジュールを「未定」に変更、事業規模についても未定とした。背景には全国共通の構造的問題がある。建設資材の高騰や人材不足を理由に、大規模再開発の見直しは各地で相次いでいる。名駅の場合、1日25万人以上※2が利用する名鉄名古屋駅を営業しながら4線化し、その上に超高層を建てるという技術的難度の高さが、コストと工期を押し上げている。

しかし、名駅再開発の「時計の針」が完全に止まったわけではない。見逃せない動きとして、2026年4月に名古屋市・愛知県・名鉄・JR東海などの関係事業者等が参加する「名駅グランドデザイン懇談会」が初会合を開き、駅周辺全体の将来像を年度内にまとめる方針を示した。これは個社の計画から、官民連携の都市ビジョンへと議論の軸が移りつつあることを意味する。名駅前の供給見通しを考える上で、この懇談会の動向は要注目と言える。

官民一体で描く名駅の青写真

再始動したリニア

静岡工区前進で再起動する“名駅前経済圏”

リニア中央新幹線は、最高時速500kmで品川―名古屋間を最速40分で結ぶ次世代幹線鉄道である。開業すれば三大市圏が約1時間で結ばれ、国土交通省が「スーパー・メガリージョン」と呼ぶ巨大経済圏の結節点として名古屋の拠点機能が再評価される。名駅エリアの大型再開発は、この開業を念頭に計画されてきた経緯がある。だが、当初2027年だった開業目標は、大井川の水資源・自然環境の保全という地域の重要課題をめぐる協議が続き、静岡工区が未着工のまま長期化。2024年3月に断念となった。“開業時期未定”の状態が、名駅前の投資判断にも影を落としてきた。

しかしその潮目が、この1年で一気に変わった。2024年5月に就任した鈴木康友静岡県知事のもとで対話が加速。2026年1月24日に水利用への影響に関する補償確認書が締結され、3月26日には県の求めた条件が出そろって協議は事実上完了した。そして7月7日、知事は静岡県議会で静岡工区の着工容認を正式に表明。前知事時代からの懸案に、区切りがついた形だ。7月18日には本体工事に必要な「自然環境保全協定」が県庁で締結され、品川―名古屋間で唯一未着工だった静岡工区に年内着工の環境が整った。焦点は今、JR東海が今後新たに示すであろう、開業時期に移っている。

リニアで東京(品川)~名古屋間が最速40分に 一体化する首都圏・中京圏

※1:名古屋鉄道「名古屋駅地区再開発計画・中長期経営戦略説明会資料(2025年6月5日)」 ※2:国土交通省「令和7年度 移動等円滑化取組報告書」

上記内容は 「BZ空間」2026秋号 掲載記事
です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。
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