CBRE 名古屋支店|名古屋オフィスエリアガイド2026

都市・物件特集
更新日 : 2026年10月06日掲載日 : 2026年10月06日
オフィス
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オフィス需要の担い手に変化の兆し。
名古屋オフィス市場の現在地。

ものづくり産業の中枢・名古屋で、オフィス需要の担い手が多様化している。リーシングの最前線で名古屋圏の企業と向き合うCBRE名古屋支店に、マーケットの現状、そしてオフィス戦略のヒントを聞いた。

シービーアールイー株式会社
名古屋支店
アドバイザリーサービス|リーシング オフィス
コンサルタント
西村 遥

西村 遥

製造業を支えるBtoBサービスが、都心オフィス需要のドライバーに

名古屋圏の産業基盤は言うまでもなく自動車・機械の製造業※4であり、近年では、豊田市や刈谷市など愛知県内の他都市から、名古屋市中心部への立地改善移転の例を多く見かけるようになりました。かつて郊外の工場に併設していたオフィスが周囲の市街地化で拡張余地を失い、「オフィスは中心部へ、跡地には第2工場を」という動きなどです。背景にあるのは採用力の強化であり、公共交通の利便性が高いエリアへの立地改善移転です。“車社会”と呼ばれる中部圏ですが、若いエンジニアには車に乗らない人も少なくありません。そのような中、名古屋はJR・名鉄・近鉄・地下鉄が集まり、岐阜・三重・静岡を含む広域から通える都市圏である一方、トヨタ自動車をはじめ地元優良企業が多く、地元志向の優秀な人材が定着しやすい土地柄。名古屋の中心街に拠点を構えることは、この厚い人材層を採用に取り込む何よりの近道と言えます。

需要の牽引役には変化の兆しもあります。例えば、製造業を支えるITや情報通信、コンサルティング、人材サービスといったBtoBサービスのオフィス需要も、並々ならぬものがあります。トヨタグループのIT中核企業・トヨタシステムズは、名古屋本社を置くJPタワー名古屋をはじめ名駅の複数の大型ビルに拠点を展開。グループのIT関連企業は総じて非常に大きな面積を使っています。製造業のデジタル化がもたらす旺盛な事業活動ぶりがうかがえます。また、2024年には昭和区・鶴舞に日本最大級のスタートアップ支援拠点「STATION Ai」が開業。新興企業が集積する土壌が整いつつあります。このような施設から巣立ったプレーヤーも、中長期的に都心需要を後押ししていく可能性があります。

空室率1%台をにらむ市場、希少な大型供給に要注目

多様な企業が需要を担う構造変化の最中にある名古屋ですが、問題は今のマーケットに、受け皿が少ないことです。当社調査によるオールグレード空室率は、2023年末時点で5%台後半でしたが、ここ数年で大幅に低下し、2026年Q2(4~6月期末)は2.0%と、1%台をにらむ市場。貸し手市場の色合いが年々強まり、定期借家契約のテナントに賃料増額を求める動きも目立つようになりました。賃料を上げるか、縮小するか、移転するか。多くの企業が判断を迫られる一方、2027年以降に大規模開発の予定はほとんどなく、選択肢が限られる状況です。供給は現状、「〔仮称〕錦2丁目オフィスPJ」(2028年夏頃竣工予定)など、ごく限られた物件を残すのみであり、このような希少なビルの動向は、単に移転先候補という点のみならず、市場を展望する上でも注視しておくべきでしょう。

「日本のものづくりの中枢と、東西を結ぶ結節点」としての名古屋の重要性は、これからも揺らぐことはなく、企業と人材を引きつけ続けるはずです。タイトな市場だからこそ、早めのオフィス計画と情報収集が、優良なスペースを確保する何よりの武器になります。

※4:愛知・岐阜・三重の3県の総生産(名目)に占める製造業の割合は36.8%(愛知37.9%、岐阜27.7%、三重39.2%)と、全国の約20.5%の1.8倍に上る。各県公表の「令和5(2023)年度県民経済計算」を基に編集部 集計。全国値は内閣府「2023年度国民経済計算年次推計」による名目GDPの経済活動別構成比

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上記内容は 「BZ空間」2026秋号 掲載記事
です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。