株式会社マップフォー|名古屋オフィスエリアガイド2026

都市・物件特集
更新日 : 2026年10月15日掲載日 : 2026年10月15日
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クルマの街に生まれ、ものづくりの現場を変える。
名古屋大学発・空間知能スタートアップの地の利。

株式会社マップフォー 取締役CAO コーポレートデザイン部長 巽 祥太郎 氏

自動運転向けの3次元地図から出発し、鉄道や送配電のインフラ点検にも領域を広げる名古屋大学発のディープテック・スタートアップ、マップフォー。 2016年の創業以来、その拠点は一貫して名古屋にある。2025年1月には錦二丁目の新築ビルへ増床移転し、開発機能を一つの部屋に集約した。名古屋のみならず、東京にも多くの顧客を抱えるようになった今でも、同社はなぜこの街に居続けるのか。取締役CAOの巽祥太郎氏に聞いた。

株式会社マップフォー
取締役CAO コーポレートデザイン部長
巽 祥太郎 氏

名大のキャンパスから始まり、クルマ社会の縁が事業を育てた

当社は2016年、自動運転で利用される3次元地図に関する技術を研究開発する会社として設立され、実世界の3次元情報を精密に認識・理解する「空間知能」の研究開発に取り組んできました。現在では自動運転に関する事業で培った技術を、インフラ点検や建築・土木等の現場の課題解決に応用することで、従来の人手を前提とした作業工程を変革し、省人化・効率化を実現しています。

創業者が名古屋大学の大学院生だったので、最初の拠点は名古屋大学のキャンパス内にある、名古屋大発のスタートアップを支援する施設。当初は代表と学生インターン数名で運営していました。「なぜ名古屋なのか?」と問われれば、当然、名大発のスタートアップという理由が一つ。また、原点である自動運転向けの地図という事業は、自動車産業を中心とするこの街と相性が良かった点も挙げられます。中部圏はいわゆる“クルマ社会” ですから、事業との関わりは密接。さらに、軸足をここに置いているからこそ生まれたご縁もあります。名古屋に拠点のある企業様とのつながりが、創業期から続いているのです。

株式会社マップフォー

ターミナル駅の徒歩圏内に、安価で住める暮らしの利便性

その後も名古屋を基盤にし続け、近年では、2023年4月に名古屋大学から都心部の錦二丁目にて70坪ほどのビルに拠点を置き、そして2025年1月に同じエリアの「I-FOREST名古屋伏見」の約130坪へ増床移転しました。2020年以降、年に10名ずつ社員が増え、移転前のオフィスでは会議室を一つ減らしてデスクを置くような状況であり、早急に広い面積を確保する必要があったのです。また、移転前は少し年数の経ったビルに入居していたので、より新しいところへ移り、従業員の働く環境を向上させたいという思いもありました。エリアの選定にあたっては、栄エリアか、名古屋駅の近くで検討。交通利便性を第一に、移転の議論は進んでいきました。また、自社開発の3次元データ計測システムを社用車に付け外しするので作業スペースのある駐車場が近いこと、サーバーラックを置く床荷重なども気にしつつ、この物件を選びました。

名古屋というターミナル駅の利便性は、まず何より社員の通勤や暮らしの利便性にも直結しています。私は東京でも大阪でも暮らしましたが、名古屋駅と自宅と職場がいずれも徒歩15分以内で、家賃も5~6万円台のワンルームで不自由なく生活できる。新幹線が停まる駅の近くでこの条件は、東京ではなかなか成立しないのではないでしょうか。当社ではオフィスから3駅以内に住む社員には家賃補助を出していることもあって、若いメンバーの多くはその範囲に住んでいます。

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分からないことは、その場で聞ける、だから貫くワンフロア

私たちはオフィス出社を前提にしています。高性能なデスクトップ端末がないと仕事にならない事情もありますが、何より、社員同士で分からないことを教え合うなど、顔を合わせて会話しながら働くほうが生産性は上がるからです。ですから社員が増えても、近所にサテライトを設けたり2フロアに分かれたりという選択は、私たちにはありません。物理的な距離が生まれれば、コミュニケーションの量も質も落ちる。今後も、できれば一つの建物の一つのフロアに収めたいと考えています。

社員の半数以上はエンジニア。ただ、ディープテックと聞いて想像されるほどスマートではなく、かなり泥臭いです。エンジニアは現場にも出ますし、オフィス内にもハードを制作するエリアを設け、作業スペースを広めに取っています。

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名古屋という東西の結節点から、全国の現場を「マジ」で変える

現在、特に力を入れているのは、自動運転で培った技術をインフラの保守・点検へ応用することです。例えば送配電線は、これまで電線に木の枝がどれだけ近づいているかなどを人が歩きながら目視で定期的に点検していました。それを、計測機を載せた車が走るだけで自動的に判別できるようにする。鉄道であれば、営業車両に計測機を載せ、走らせながら線路内の点群データを収集する。これまで夜間に行っていた作業が、昼間の運行で済むようになります。人手不足に悩む現場の困りごとをエンジニアも一緒に聞きに行き、ソリューションを提供し、プロダクトの改善につなげ、当社の技術で現場の工程を大きく改善する。「空間知能で現場をマジで変える」という私たちのフレーズは、その姿勢そのものです。この視点で見たとき、名古屋という立地は非常に恵まれています。お客様の現場は山の中の送電線であり、地方の鉄道路線。名古屋駅と中部国際空港を使えば、東にも西にもアクセスしやすい環境にいるのです。新幹線を降りて車で奥地へ、という移動も多いので、東西の結節点にいる意味は非常に大きいです。

一方、正直に申し上げると営業拠点としては、東京にまだまだ一日の長があると感じています。おかげさまでビジネスが大きくなり、本社が東京のお客様も増えたので、1年ほど前にレンタルオフィスで東京拠点も開設しました。2026年7月には専有の部屋を借り、まずはお客様との接点を担う前線として運用しています。ただ、事業の核である研究開発は、変わらず東西アクセスの利便性の良いこの名古屋。今後は両拠点の使い分けを意識していきたいと考えています。今の名古屋はオフィスの空きがずいぶん少なくなっている印象です。いずれ社員が増えたとき、借り手として選択肢が限られる中、コストとのバランスは常に課題となります。それでも一つの拠点に収まり、ものづくりのスペースも議論の余白もある⸺そんなオフィスをこの名古屋で持ち続けたいと思います。

株式会社マップフォー

上記内容は 「BZ空間」2026秋号 掲載記事
です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。