空室率は4期ぶりに3%台へ低下。
築浅を中心に空室消化が進む。
賃料上昇が顕著に
2026年1~3月期末の仙台市内の空室率は3.6%と、前期より0.4ポイント低下した。今年1月に「lamroN仙台」が竣工し、その新規供給分が算入されたが、空室率が低下したことにより、テナントの需要が好調であることがうかがえる。また、2023~24年竣工の築浅物件を中心に、築20年以内の物件が空室を消化しており、人気の高さが見てとれる。
テナント動向については、仙台市内中心部でのビルグレード改善や拡張、郊外から中心部への移転といったニーズが多い。その背景は、雇用強化や従業員のモチベーションアップ、働き方改革といった、時代を象徴するものとなっている。一方、まとまった面積を確保しようとすると、築浅物件しか空きがないという状況も、築浅物件が空室を消化している要因として考えられる。
今年の新規供給は、前述した「lamroN仙台」のみであり、かつ好調なテナント需要により、今後も空室率の低下が続くと予測される。それに伴い、賃料の上昇も、より顕著に現れている。築浅物件の入居率上昇による募集賃料の値上げや、仙台駅至近のランドマークビルが、募集賃料の値上げを行ったことから、築20年程度の物件や築30年を超える旧来の大型ビルも、追随する形で賃料を上げている。このような流れは、中小規模ビルまで波及し始めている。
市場における賃料相場の上昇は、既存テナントへの賃料増額交渉の動きをより加速させており、テナントからの賃料増額に対する相談も後を絶たない。これを契機に、オフィスの利用方法、適正面積の検証、グループ統合の可能性などを考える機会となり、移転検討を行うケースも増えている。
今後の開発は年1棟ペース
開発計画として、2027年春に「(仮称)S-GATE仙台一番町」、2027年末に「(仮称)名鉄仙台南町通りビル」が竣工を控えている。さらに、2028年には「仙台第一生命ビルディング建替計画」、2029年に「(仮称)読売仙台ビル建替プロジェクト」、2030年に「(仮称)仙台市青葉区本町一丁目プロジェクト」と続く。ただ、他都市と比べると供給は多くない。建築費の高騰などにより、開発計画が延期や白紙となっている事例もあるため、仙台市が進める「都心再構築プロジェクト」を活用することで、都市の機能が更新され、さらに魅力ある街へと変化することを期待したい。
仙台支店 後藤 拓己
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