全エリアで低水準の空室率を維持。
賃料は引き続き上昇基調で推移。
栄の新築ビル2棟は高稼働で竣工
当社調査による2026年1~3月期末の名古屋オールグレード空室率は、前期から0.1ポイント低下し2.2%となった。オールグレードの数値としては微減であるが、名古屋の空室率は、全エリアで引き続き低水準を維持している。
各エリア別に見ていくと、「名駅」エリアは、対前期比0.1ポイント上昇し1.4%、「伏見・丸の内」エリアは、対前期比0.5ポイント低下し3.2%、「栄」エリアは、対前期比0.4ポイント上昇し2.6%となった。
空室率が低下した「伏見・丸の内」エリアでは、複数の大型空室を抱えていた既存物件で空室消化が進んだ。また、小規模面積の空室を抱えていた物件でも順調に空室消化が進み空室率は低下。築浅・既存物件も含め、今後もテナント需要があると考えられ、空室消化は継続すると見込まれる。
空室率が上昇した「栄」エリアでは、今期新たに2棟が竣工を迎え、約1.6万坪の新規供給があった。過去四半期平均の約5倍の大 型供給となったことが、空室率上昇要因の一つと考えられる。ただし、2棟ともに空室をほぼ残さず、9割程度の高稼働で竣工を迎えており、空室率の上昇幅としては限定的であった。空室を残しながらも、すでに内定しているテナントもあり、引き続き低水準の空室率が続くと考えられる。
「名古屋東」エリアについても、空室率は前期の1.3%から0.1ポイントの低下となり、空室の少ない状況が続いている。
このように、各エリアで空室消化が進んでいるが、二次空室の発生は限定的と考えられており、引き続き、空室率は低水準で推移すると思われる。
賃料上昇率が高いグレードA物件
賃料相場は、引き続き上昇基調が継続している。特に、グレードA物件の上昇率が高く、同クラスの想定成約賃料(共益費込み)は対前期比3.3%の上昇と、前期の1.6%上昇から上昇率が加速している。各物件で順調に空室消化が進み、残りの空室に対して、募集賃料を上げる動きが散見される。空室率は、今後も低水準での推移が予想されるため、グレードBも含め、賃料水準も上昇傾向が続くと考えられる。
今後の見通しとしては、空室の品薄感が続く中、同じ募集床に複数テナントで競合するケースが出てくる可能性が考えられる。テナント側としては、早期の意思決定が重要になってくるだろう。
名古屋支店 岩城 和利
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