MEDIUM ウェットラボ 入居企業に訊く
年間10万検体以上のアスベスト分析実績とAI技術の融合で、業界をけん引するアルフレッド。全国翌日配送体制の実現へ向かう今、新ラボとして「MEDIUM」に拠点を構えた。アジア展開から食糧・健康課題、さらに「宇宙農業」の実現までを見据える仙台拠点の戦略と未来への展望とは。
アルフレッド株式会社
代表取締役
三井 伸悟 氏

圧倒的な処理力と精度を追求、AIが切り拓く分析の未来
私たちアルフレッドは2021年の創業から急速に成長し、現在では年間10万検体以上のアスベスト分析を手がけるまでになりました。日本ではアスベストの新規生産や使用がすでに禁止されていますが、解体・改修工事のピークは2030年頃に到来すると見られています。それまでにどれだけ精度を高め、データを蓄積できるか。今がまさに正念場です。
私たちはAIを軸にした分析の高度化に注力しています。世界水準のAI人材を求め、インド工科大学(IIT)からAI専攻の学生7名を採用。30万検体のデータを解析し、アルゴリズムの最適化と精度向上を進めています。
アルフレッドの強みは、最先端技術と圧倒的な処理能力の融合です。75名以上の専門技術者と独自ITシステムにより、100検体規模でも通常3営業日以内で結果を納品。前処理や偏光顕微鏡に加え、XRD※1・SEM※2・AIによる多角的分析と統計照合を組み合わせることで、極めて高精度な解析を実現しています。
全国翌日配送を実現する仙台拠点、唯一無二のラボ環境「MEDIUM」

浜松、福岡に続く第3の戦略拠点として仙台を選んだ理由は、全国規模の物流効率にあります。どの地域からも翌日午前中に検体が届く拠点を構築するためには、東北の中核都市・仙台が不可欠でした。
東京や大阪などの大都市圏ではコストが見合わず、耐震・防振・遮音・防水性といった厳しい要件を満たす施設はほぼ存在しません。私たちが求める設備条件を満たす候補を、仙台で探し続けた結果、条件をすべてクリアしたのは「MEDIUM」だけでした。
アルフレッドが理想とするラボ環境にようやく出会い、これまで構想してきた新拠点を今年4月にオープンすることができました。ようやく実現したこのラボは、事業拡大の節目を象徴する存在です。加えて、東北大学をはじめ優れた理系人材が集う地域であることも、仙台を選んだ大きな理由です。
分析から社会課題へ挑む、食糧・宇宙農業を見据えた新構想
日本のアスベスト分析需要は2030年を境に減少が見込まれています。私たちはその先を見据え、分析で培ったAI・自動化・品質保証のノウハウを次の領域に活かそうとしています。アスベストが依然として使われているアジアでの普及啓発とともに、グローバルな環境・健康課題の解決、そして最終的には「宇宙農業」の実現を目指しています。
新領域の創出には、多様な人材や企業との協働が欠かせません。「MEDIUM」はそのための理想的な舞台であり、コミュニケーション・デザイン・ラボとしての機能を通じて、産学官の多様なプレイヤーを結びつけています。ここ仙台から、新たな技術革新と社会的価値を生み出す挑戦を着実に進めていきます。

会社概要■アルフレッド株式会社
仙台ラボ・仙台営業所 | 宮城県仙台市若林区六丁の目西町6-5 MEDIUM | |
|---|---|---|
本社 | 静岡県浜松市中央区和地山3-1-7 HI Cube | |
浜松第二ラボ | 静岡県浜松市中央区高林4-9-38 | |
福岡ラボ・福岡営業所 | 福岡県福岡市西区九大新町5-5 いとLab+研究開発棟204号室 | |
営業所 | 大阪、千葉、岡山、インド駐在所あり | |
創業 | 2021年 | |
※1:X線回折。物質にX線を照射し、回折X線のパターンを解析することで結晶構造や化合物の種類を特定する分析手法。
※2:走査型電子顕微鏡。細い電子線を試料表面に当て、微細な形状や構造をナノレベルの高倍率で立体的に観察できる装置。