CASE 5では、オフィス内で働くワーカーの業務環境を重視する企業の移転事例を考えてみます。急成長を遂げているIT企業という想定で、当然のことながら面積は現オフィスの2,700坪から3割増の3,500坪への拡張移転。企業ブランディングやリクルート戦略、従業員のエンゲージメント向上を企図し、立地面では一等地ではないものの新築大型ビルを移転先に選択し、月額の賃料コストだけをとっても5,470万円の負担増です。併せて、オフィス内で働く従業員が大半を占めることから、移転を機に社内にカフェやハイグレードなリフレッシュスペースを導入するといった想定です。オフィス移転時に「社員食堂」がテーマに上ることは思いのほか多く、ある企業では、元々あった社員食堂をワーカー増により執務スペースに変えたのを後悔し、拡張移転を機に再び復活させるといったケースがあったほどです。実際には、賃貸ビルへの厨房設備設置やオペレーション構築の問題があり、食堂は無理なので代わりにカフェを設けるといったことが見受けられます。カフェやリフレッシュスペースに、オフィス全体のどれくらいのスペースを割くかは各企業の考え方によりますが、5%程度確保できれば社内で働くワーカーにインパクトのある配分と言えるようです。
こうしたカフェは、オフィスや会議室の代わりになるだけでなく、社内イベントのためにも利用できるというメリットがあります。例えば、社員同士がサッカーのWカップを観戦しながらアフター5に酌み交わしたり、部署内の懇親会で利用するなど、コミュニケーションを高める上で有効なスペースとなり得ます。ですから、その分、家具や調度品にはそれなりのコストをかける企業が多くなり、ここではそのカフェの分も含めオフィス家具費用は高めに想定しています。また、簡素なキッチンのある有人オペレーションのカフェのイメージなので、建築設備工事もその分膨らみ、このようなシミュレーションとなっています。
その他、ソフトウエア開発企業なので、IT関連の工事にややコストがかかるイメージとしています。最近では一般企業でも、無線LANが一般化していますから、ネットワークの構築には、それなりの金額がかかると考えておくべきでしょう。
