CASE 3は、小規模オフィス移転を想定したものです。従業員20名で、移転先は既存のオフィスビルで規模は70坪。ベンチャー企業や、あるいは地方企業の東京での営業拠点など、あまりオフィス移転に投資はできないが、今より少しでも立地や執務環境を改善したいという思いから、移転を決意したといったイメージでしょうか。
移転に伴う入居工事費用は、CASE 2よりもさらに安価に想定しています。移転に伴うオフィス内の造作を、コストをかけない必要最低限のものと想定していることと、規模の小さいビルや個人オーナーのビルは、スーパーゼネコンはもちろんサブコンや大手建設会社が手掛けていないことが多いため、この金額で試算しています。ただし、先に述べた工事費用の高騰・高止まりは、大手に限った話ではなく業界全体の傾向であり、中小の建設会社であっても特にオーナーの指定業者の場合、必ずしもこの単価ではできない可能性もあるのが実情ですので注意が必要です。同ケースは、内装にしてもオフィスにそれほど手を掛けない、導入する設備もなるべく低廉に済ませるという想定ですから、入居時の建築設備はB工事、C工事とも必要最低限の金額で賄った場合のコストとなっています。
家具類はほぼ旧オフィスからの転用で、例えば会議室のテーブルのサイズが新しいオフィスに合わないといった場合にのみ購入するといった想定です。家具の新規購入を最低限にすれば、オフィス移転時の家具費用はこの程度に抑えることもできるでしょう。ただし、転用の家具が多い分、引越費用の単価は割高になります。現実的には、オフィス内の家具は、移転に伴い買い替える需要が高いものです。既存の机や椅子を長く使用している企業では、新たなオフィスでのスタートに向け、引越を機会に新規で購入しようと考えるのはごく普通のことです。一方、移転の2~3年前に買い替えている場合は持っていこうかとなるわけで、その家具の使用期間によって変わるものであり、どちらがいいというものではないでしょう。また、在席率が高いオフィスでは社員の健康を考え、他の家具は流用でも、椅子だけは体にフィットする製品に替えようと考える企業も見受けられます。
原状回復工事については、旧オフィスがそれほど凝った作りになっていないと想定して、やや低めにシミュレートしています。
