次世代の物流施設|アジア太平洋地域の物流施設のこれから

不動産戦略・動向
更新日 : 2023年03月09日掲載日 : 2022年03月08日
倉庫

-高度な機能を備えた施設

オムニチャネル化の進展に伴い、最新の高機能な物流施設の利用が進んでいる。最新の物流施設は天井高、柱間隔、床荷重が大きいため、保管効率が高まっている。また、オムニチャネル需要に対応するため、標準的な倉庫よりも多くのトラックバースを備えている。

また、次世代の物流施設は、サステナビリティ/環境性能、冷凍冷蔵倉庫、多層階、バックアップ電源など、長期的なビジネス目標をサポートする先進的な機能を備えている。〔図10〕

図10 最新・次世代物流施設のおもな特徴
次世代の物流施設

サステナビリティ/環境性能

回答者の3分の2以上が、今後3年間でより多くのサステナビリティや環境性能を備えた施設が必要と回答。テナントや投資家がESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを強化しようとする中、建物の仕様にはより多くの環境性能が盛り込まれている。重点分野には、環境認証、再生可能エネルギー、グリーンオペレーションなどが挙げられる。〔表1〕

表1 物流企業のサステナビリティへの取り組み

冷凍冷蔵倉庫

コロナ禍の影響でオムニチャネルの食料品小売業は成長し、それに伴う需要は加速していることから、回答者の60%は将来的に冷凍冷蔵倉庫が必要になると考えている。 2021年上半期には、アジア太平洋地域の賃貸面積の約20%が冷凍冷蔵倉庫であり、同期間に賃貸された床面積は2019年上半期の3倍以上となっている。オムニチャネルの食料品小売業が引き続き勢いを増しており、冷凍冷蔵倉庫の需要は今後さらに高まると考えられる〔表2〕。また、製薬業界からの要求が高まっていることも、高品質の冷凍冷蔵倉庫の需要を後押しするだろう。

表2 冷凍冷蔵倉庫のテナント例

多層階物流施設

工業用地の不足と倉庫需要の増加により、多層階物流施設を建設するデベロッパーが増えている〔図11〕。大都市圏の工業用地の供給が引き続き逼迫していることから、優良な土地の価格は大幅に上昇することが予想され、今後、より多くの多層階施設の開発が促進されるであろう。

図11 アジア太平洋地域の多層階物流施設の階数

バックアップ電源

自動化など新技術の導入により倉庫運営には安定した電力供給が不可欠である。特に温度管理を必要とする倉庫の入居者からは、停電のない物件や緊急時のバックアップ電源の確保などが求められている。

上記内容は 「BZ空間」2021年冬号 掲載記事
です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。