多様化するマルチユースのニーズを的確に捉え、積極的にサポートするプロロジス。

ケーススタディ
更新日 : 2018年01月21日掲載日 : 2017年07月11日
倉庫

物流施設のマルチユースは、単にテナントの要望だけでできるものではなく、
施設提供側であるデベロッパーの協力や対応が不可欠となる。
世界的な物流施設プロバイダー・プロロジスで
コンストラクション・マネジメントを手がける小出敦子氏に、
昨今のテナントニーズの変化とマルチユース、
それに対する同社の戦略を訊いた。

小出 敦子氏

プロロジス
コンストラクション・マネジメント部
シニアマネージャー/ アーキテクト
小出 敦子氏
http://www.prologis.co.jp/

かつて倉庫といえば、メーカーや卸企業が自社所有、あるいは1棟を1企業が専有する形で賃貸借契約を結ぶ形態が一般的だった。ところが2000年を境に大きな変化が起こる。その最大の要因となったのが、大型マルチテナント型物流施設の登場である。多層階の大型施設を、ワンフロアごと、あるいは分割し、様々な業種業態の複数企業が入居する形態は、物流適地に低コストで、しかも迅速に拠点を開設できるというメリットもあり、急速に浸透してきた。

その代表的なデベロッパーがプロロジスだ。同社は物流不動産開発のリーディング・グローバル・プロバイダーとして、米国、欧州、アジアの計19ヶ国で、約3,300棟の物流施設を展開。日本国内では、1999年の進出以来、84施設の開発実績を誇っている。 進出当初はマルチテナントとはいえ、その使用目的は従来と同様、商品を納入し、在庫として保管し、出荷するための施設という認識が一般的だった。それが大きく様変わりし始めた理由の1つに、近年大きく進展しているEコマースの成長が挙げられる。

「特にB to CのEコマースでは、受注から発送までの管理から、ピッキング、検品、梱包、ラベル貼付など、いわゆる物流加工の業務を物流施設内で行う必要があります。またEコマースに限らず、統合移転などを契機に自社のサプライチェーンを見直す中で、より合理的な流通体制が求められ、それに伴い物流以外の機能が施設内に付加されるようになってきていると思います」。そう語るのは、プロロジス コンストラクション・マネジメント部のシニアマネージャーであり、一級建築士の資格を持つ小出敦子氏だ。

Eコマースにおいて、配送のスピードはそのままビジネスの競争優位性につながる。物流拠点の重要性は言わずもがなであり、マルチテナント型物流施設が開発されるような物流適地に拠点を確保し、高機能な物流システムを駆使して最適な商流を構築することは理にかなっている。そのような物流面での進展とともに、倉庫内にオフィス機能をはじめ、商品を撮影するためのスタジオや注文を受けるコールセンター、さらには商品開発のためのラボや、例えば商材の修理やメンテナンスを行う工房までも併設し、顧客により高付加価値のサービスを提供しようというわけである。

さらに近年では、工場用途の問い合わせや、実際に活用されるケースも増えているという。工場といっても大規模なものではなく、施設の一角に、小型で最新鋭の機械を数台設置し、オフィスを併設するだけで完結できる規模のものである。大都市圏で工場を新設するのは近隣住民との兼ね合いや、コストの面から難しいのが現状だ。ましてや、オフィスビルに倉庫や工場を敷設するのは現実的ではない。その点が、物流の要となるエリアにまとまった規模のスペースをフレキシブルに確保できるマルチテナント型物流施設に、多様なニーズが集まる要因となっている。

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