空室率上昇も賃料は10期連続上昇。
多様な需要に応え、進む物件差別化。
拡張移転やフロア集約が活発
シービーアールイー(株)の調査によると、2026年1~3月期末の福岡主要オフィスゾーンの空室率は、前期(2025年10~12月期)より0.3ポイント上昇の3.5%となった。想定成約賃料(共益費込み)は0.7%上昇の16,690円/坪であり、10期連続の上昇を記録している。空室率はわずかに上昇したものの、引き続きテナント需要は堅調であり、新築ビルへのフロア集約や人員増加による拡張を目的とした移転が多く見られた。移転により発生した二次空室においても、移転コストを抑えられることから館内増床を希望するテナント需要が増えている。
想定成約賃料の上昇要因として、新築ビルでの順調な空室消化による募集賃料の引き上げや、さらにその動きが波及し、周辺の既存ビルでも募集賃料が引き上げられている点が挙げられる。また、既存ビルの共用部リニューアルにより、ビルの価値を向上させることで、入居テナントへの継続賃料の改定が行われる事例が増えたことも、要因と言える。
天神新ビルに見る新築ニーズ
昨今のオフィスにおける移転目的のトレンドは「優秀な人材の採用強化」や「従業員のエンゲージメント向上」「BCP対策」であり、これらのニーズに対応する最新オフィスへ移転したテナントからは、求人の応募数増加や生産性向上などにより、実際に満足度の高い声が寄せられている。
新築へのニーズが引き続き高い中、こうした傾向を象徴する物件が、今年6月竣工予定の「天神ビジネスセンターⅡ」だ。地下鉄天神駅直結の好立地に位置し、共用設備として、ラウンジや貸会議室だけでなく、仮眠室、サウナなど、多様な働き方を支える設備が整っている。竣工前のため内覧ができないにもかかわらず、すでに貸室の70%程度が内定している。
また、昨今は新規開設の際にサービスオフィスだけでなく、セットアップや居抜き物件を希望するテナントも多いことから、早期成約や賃料上昇のための工夫がされた既存ビルが増加。他の物件と差別化を図る動きが見られる。今後も大量供給を控える福岡において、様々なニーズに応える形で、物件毎に差別化が進むことが期待される。2026年後半も引き続き、福岡のオフィス市場の動向は、目が離せないものとなるだろう。
福岡支店 新谷 英輔
- 現在募集中の福岡県の賃貸オフィス
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