新規事業拡大の核となる拠点として
昨年12月、札幌にセンターを開設
当社の歴史は1998年にインターネット広告事業からスタートしました。業績は好調で、2000年3月には東京証券取引所新興企業市場(マザーズ)に上場しています。その後、2004年にはブログサービス「Amebaブログ」を開始し、メディア事業に乗り出しました。また、2016年に動画配信事業「AbemaTV(現:ABEMA)」がスタート。2022年に開催されたサッカーワールドカップ:カタール大会の全64試合を無料放送したことで話題になったことをご記憶の方も多いと思います。今日では競輪・オートレースの投票サービスやマッチングアプリなど、ソーシャルメディアサービスも提供しています。さらに2009年にはゲーム事業にも本格的に参入し、子会社であるCygamesを中心に、「ウマ娘 プリティーダービー」などの人気コンテンツを提供しています。この三つが当社の事業の柱であり、2014年には東京証券取引所市場第一部に上場(現在はプライム市場)。こうした中、2022年12月12日にインターネット広告事業における、新たなビジネス拠点として開設したのが「札幌クリエイティブセンター」です。
小売業のより効果的な広告手法として
注目が集まるデジタルサイネージ
同センターの役割は、デジタルサイネージに配信する動画クリエイティブの制作・運営です。当社では数年前から、国内有名企業とパートナーシップを組んでデジタル事業を推進する、協業DXという領域でビジネスを進めてきました。その中で今積極的に投資を行っているのが、小売事業者における広告事業創出です。
近年、小売業界においては、デジタルサイネージをはじめ、EC上の購買データやアプリ上での商品閲覧履歴等を活用した広告事業など、DX による新たな事業創出に注目が集まっています。販売促進や商品の認知度向上を目的に、小売店舗のサイネージやアプリを活用する「店舗のメディア化」が急速に進んでおり、今後、リテールメディア市場のさらなる拡大が見込まれています。
皆さんも小売店舗の中で、メーカーによる販促活動の一環として、商品のポスターなどが掲出されている状況をご覧になっていると思います。そのポスターの代替としてデジタル化されたコンテンツをディスプレイに映し出す、デジタルサイネージが増えてきています。こういったリテールメディアの広告効果を最大化するためには、従来のインターネット広告と同様、効果指標の設定および計測・データ分析・運用を行うことが重要です。なかでも、配信する広告のクリエイティブは、大量のパターンを用意するとともに、検証結果を元に素早い改善を行うことが必要とされています。
そのため当社が提供するデジタルサイネージのプロダクトは、サイネージのディスプレイと中身の広告となるデジタルコンテンツ、そしてAIを搭載したカメラの3点がセットになっています。ディスプレイを見ているお客様をカメラで感知して視聴率を測るとともに、レジのPOSデータなど外部データと連動することでより効果の高いコンテンツを配信するなど、レベルアップしたプロモーションを展開する新しい広告事業を創出しようとしています。
札幌の持つ都市としての規模感が
リテールメディア事業に最適な環境を提供
こうした専門拠点を札幌に展開した理由は大きく二つあります。一つはリテールメディア事業の舞台となる小売業の会社が、数多く本社を構えている点です。そしてもう一つ重要だったのが、エリアの特性です。この事業では、配信したクリエイティブを、クリエイターが実店舗に足を運んで、自分の目で見て確認することが重要です。そして地域特性の違いが、広告効果にどのような変化をもたらすかを知る必要があります。その意味で、中心部は都市であり、そこから住宅街、郊外、農地などへと広がる地域性のグラデーションが、車で簡単にアクセスできる距離に広がっている札幌が最適な場所でした。
当センターはJR札幌駅からほど近い大通りに面したビルにあり、サイバーエージェントの連結子会社であるシーエー・アドバンスの札幌支社として設立しました。このビルに決めた理由の一つは、地下鉄駅から地下で直結しているため、雪の季節でも通勤がしやすいこと。もう一つは札幌の中心部に位置しているので、ちょっとした打ち合わせを兼ねたランチなど社員同士の交流などがとりやすい環境が整っているからです。
日当たりがよく、開放感に溢れた約445㎡あるオフィスには、当初から約56席を設け、昨年の10月末から採用を開始しました。ワーカーの9割がクリエイターですから、椅子やデスクといった調度品にはこだわりました。彼らが制作に集中できる環境が重要だからです。PCやディスプレイについても同様で、最新かつ最上級のマシンをそろえています。
またグループ全体で共通していることですが、休憩時間にきちんとリラックスできるように、リラックススペースをオフィス内に設けています。電子レンジや冷蔵庫、ソファがあって、コーヒーやジュースが無料で飲めるドリンクサーバーも置いています。
札幌クリエイティブセンターが取り組むリテールメディアの分野はこれからますます拡大することは確実で、当社ではいずれ、現在のインターネット広告と同等の規模まで成長すると試算しています。ですから、このオフィスがさらに拡大していく可能性も大いにあると考えています。まだ開所したばかりなので、札幌以降の展開は未定ですが、より効果の高いサイネージ広告のクリエイティブを札幌から発信するというミッションを完遂し、リテールメディア市場の拡大と小売DX事業の成長に寄与したいと考えています。






