物流需要をけん引する要因とロジスティクスハブとしての港湾

不動産戦略・動向
更新日 : 2023年06月27日掲載日 : 2023年07月04日
倉庫

物流不動産の需要をけん引するもの

産業・物流分野では、Eコマースの拡大への対応、在庫管理および混乱防止のため、サプライチェーンを多様化する中で、企業は不動産事業を拡大し、記録的な需要が発生しています。

企業は、コロナ禍による世界規模のサプライチェーンの混乱や、港湾の混雑・閉鎖、主要航路の遮断、ロシアのウクライナ侵攻などの問題から在庫を守るために、物流能力を強化しています。こうした課題に対処するため、企業は世界の交通の要衝、特に港湾の近くに物流拠点を置くようになっています。これらのハブは物流不動産の市場をけん引し、通常、物流施設の大規模なクラスターの中心となっています。また、港湾に隣接する施設は、グローバル・サプライチェーンを通じて移動する膨大な量の貨物に対して、生産、保管、通関、梱包、加工などの付加価値サービスを提供しています。

過去5年間で世界のEコマース売上高は133%増加
さまざまな要因が重なり合い、高まる物流需要
【図2】小売売上高に占めるEコマースの割合
2026年には世界で、Eコマース専用の物流施設が新たに160~200k㎡(4,840万~6,050万坪)必要に

世界の主要な物流拠点としての港湾

港湾は、コンテナ輸送の採用、貨物の種類や設備の多様化、コンテナの複合一貫輸送の改善、港湾技術の進歩などにより、この数十年間に進化してきました。今日、主要な港湾は、通常、輸送、貿易、工業生産流通のために、地理的に集中し、相互に関連するビジネス施設の近くに配置されています。世界の港湾では、莫大な規模の物量が扱われ、20フィートコンテナ換算で5,000TEU以上を積載できるパナマックス型コンテナ船によって、運搬されています。

【図3】世界のコンテナ取引量

増加するコンテナ貿易

経済のグローバル化が進む中で、商品取引量は急速に増加しています。2012年から2021年にかけて、世界のTEUは36.5%増加し、約8億5000万TEUに達しています。

現在、世界の商品取引量の80%以上が海上輸送であり、そのうち半分以上(金額ベース)が海上コンテナで輸送されています。

長距離の海上輸送ルートと、新しいクラスのポストパナマックス型コンテナ船(2万TEU以上積載可能な船)により、船会社はスケールメリットを生かし、コストを削減することができます。

世界の商品取引量の80%は海上輸送

成長する海上輸送と 高まる物流需要
上記内容は 「BZ空間」2023年夏号 掲載記事
です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。