まず、2013年と同様に、東京23区内に本社を置く上場企業本社が自社ビルなのか賃貸ビルなのかの割合を巻頭の円グラフに記した。2013年は自社ビルが26%、賃貸ビルが74%となっていたが、2023年は2,051社中自社ビルが360社の18%、賃貸ビルは1,691社の82%と、この10年で自社ビルの比率はさらに低下し、実数でも減少している。これはある意味予想通りの結果であり、自社ビル所有で得られるステイタスや信用度といったメリットは、グローバルに事業を展開する上場企業にとって年々薄れ、逆に予測不能な将来の経営環境にフレキシブルに対応できる身軽さ、資産効率やキャッシュフローの改善、ランニングコストの最適化、老朽化した自社ビルで課題となるBCP対応が最新の賃貸ビルでは容易に可能となる点などから、所有から賃貸へとオフィス戦略がとられるようになる流れは当然といえる。今回の賃貸ビル比率82%という数値にはセール&リースバックは含まれておらず、ここに示した数値以上に拠点戦略における賃貸ビル化は進んでいる。
ただし興味深いのは、上場企業2,051社を従業員数、資本金、継続年数、売上高、全国事業拠点数で、それぞれ上位3~400社となるよう自社ビル比率をみた場合、その比率は30%前後に跳ね上がる点だ。これら項目が上位イコール優良な企業とみるのは短絡的にすぎるが、「自社ビルを所有する企業は強い」といった一般的なイメージを裏付ける結果も、また一方で示されている。
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