空室率はグレードを問わず低水準で推移。
賃料上昇もオフィス需要は堅調。
幅広い業種で需要を牽引
シービーアールイー(株)の調査によると、名古屋における2026年4~6月期末の空室率は、対前期(同年1~3月期)比-0.2ポイントの2.0%となった。前期には、大型ビル2棟で計1万6千坪(過去四半期平均の約5倍)が供給されたが、いずれも9割前後の高稼働で竣工し、需給バランスへの影響は限定的だった。需要面では、建て替え、集約、グレードアップ移転など、幅広い業種が牽引。IT関連企業を中心に、館内増床や分室開設の動きも活発で、大型ビル以外でも、賃料の割安感から空室消化が順調に進んでいる。前述の大型ビル2棟に入居したテナントの移転元のビルにも、有力な引き合いが複数あり、二次空室の発生は限定的である。
今期は新規供給は見られないが、需要が供給を吸収する傾向は継続している。名古屋の空室率は、今年から来年にかけ、低水準で安定的な推移が続く見通しである。
グレードA賃料は3万円/坪台に
名古屋グレードAの想定成約賃料は、30,500円/ 坪( 対前期比+2.7%、前年同期比+9.3%)と、坪当たり3万円台に乗り、上昇が加速している。グレードBも、15,300円/坪(対前期比+1.0%、前年同期比+3.7%)と、堅調に推移している。
品薄となった良質なオフィススペースを確保するため、賃料の上昇を許容するテナントが増加しており、オーナー側も、強気の賃料設定を維持している。向こう1年で、大型ビルの賃料は、さらなる上昇が予測されており、賃料の上昇局面は当面継続する見通しだ。
2026年下半期には、計1万1千坪の供給が予定されている。しかし、すでに9割以上の入居が見込まれており、需給の大幅な緩みは想定しにくいと思われる。
投資市場でも、期待NOI利回りは4.45 % と、東京の3.10%を上回り、地方都市の中でも名古屋への投資家注目度は高まっている。
前述のとおり、今後も賃料上昇局面が続くため、移転や契約更新のタイミングの見極め、契約期間の長期化が重要になる。また、大型空室の発生も限定的で、貸室確保が困難になり、分室にて面積確保の対応を迫られることになる可能性が高い。
今後は、大型ビルとそれ以外のビルの二極化が進む可能性もある。自社のニーズに合ったグレード選択と、早期の意思決定が求められるだろう。
名古屋支店 近藤 実
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