空室率は上昇も賃料11期連続上昇。
天神の大型新築に見る物件差別化。
旺盛な需要が支える賃料上昇
シービーアールイー(株)の調査によると、2026年4~6月期末の空室率は、前期(2026年1~3月期)より0.9ポイント上昇し4.4%となった。想定成約賃料(共益費込み)は1.0%上昇の16,850円/坪であり、11期連続の上昇を記録している。空室率上昇の要因は、前期に続いて新規供給された大規模ビルが、募集区画を抱えた状態で竣工したことにある。一方、テナント需要は旺盛で、自社ビルからの移転、館内増床、環境改善を目的とした移転など、既存・新築を問わず幅広く需要を吸引しており、引き続き堅調なマーケットを維持している。
想定成約賃料の上昇背景には、高価格帯の新築ビルが順調に空室を消化している点が挙げられる。また、高稼働で競争力の高いビルが再契約時や更新時に賃料の増額改定を行い、新規募集賃料も新築ビルクラスとの乖離を埋めるべく大幅に引き上げる事例が増えてきたことも、上昇基調を支える要因となっている。
新築ニーズを象徴するのが、今年6月に竣工し8月の開業を迎えた「天神ビジネスセンターⅡ」である。多様な機能を融合した地上18階、地下2階建の複合ビルで、6階から18階には43坪から785坪まで対応するオフィスフロアを備える。6階には内装・オフィス家具付きで即入居が可能なセットアップオフィスを整備。8階から18階には、床や天井を仕上げきらず、初期投資や環境負荷を抑えつつ柔軟な空間づくりができる「ハッカブルオフィス」という仕様を採用する。
さらに地下2階から地上3階には商業施設、地下2階と4階から5階にはテナント専用の会議室やカフェラウンジ、シミュレーションゴルフ、サウナなどを備えた共用施設「Reboot」を設けた。こうした高付加価値機能は新たな需要を生み、差別化につながる。既存ビルでもリフレッシュコーナーやラウンジを設ける動きが出ているように、ビルの機能性の向上が、新たな価値と需要を創出していくことに期待が高まる。
熊本地方を震源とする地震の影響
今年7月28日に発生した「令和8年熊本地震」による、市場への大きな影響は現在のところ確認されていない。被災地の早期復旧を願うとともに、九州の産業・企業動向への影響を注視したい。
福岡支店 江頭 秀人
現在募集中の福岡県の賃貸オフィス
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