新築ビル竣工により、空室率はやや上昇。
既存ビルで賃料上昇と増額改定の動きが加速。
築浅ビルは徐々に空室を消化
2025年4~6月期末の仙台市内の空室率は4.0 % と、前期(2025年1~3月期)より0.2ポイントの上昇となった。
今年6月、「NANT仙台南町」が竣工した。同ビルは、「せんだい都心再構築プロジェクト」認定物件。東二番丁通りと南町通が交差する角地に立つ、地上13階建のビルで、基準階面積約250坪という広さを誇る。新築ビルは、建築段階では、テナントの内定率は低い傾向にあるが、竣工後、ビル内部を詳細に確認できる状態になってから、内定が加速する傾向にある。同ビルは、今年唯一のオフィスビル供給であるため、企業の関心度が高く、今後、テナントがどのように決まっていくのか、注目されている。
近年供給された築浅ビルの状況であるが、郊外に拠点を構える企業の市内中心部への新規拠点開設や、ビルグレード改善移転などにより、徐々に空室を消化している。いずれも背景には、有能な人材を確保するため、ハイグレードビルへ拠点を構えたいという考えが見られる。竣工後1~2年を要してはいるが、空室は徐々に消化されていることから、大規模な減額キャンペーンなどを行わなくても、単価を維持できている。入居率が好調なビルにおいては、募集賃料の値上げを行うケースも現れ始めている。築浅ビルが単価を維持できていることから、既存ビルにおいても、単価を上げようとする流れが見られ、募集賃料と併せて、入居テナントへ増額改定を行う動きが加速している。
また、マーケット相場の上昇もあるが、昨今の建築資材や人件費の高騰による、ビルの維持管理に要する費用が上昇していることが、増額改定の理由にもなっている。そのため、今後もその流れは続くと思われる。
今後は年1棟ペースの新規供給
今後の供給予定としては、2026年1 月に「lamroN仙台」、2027年には「(仮称)仙台市青葉区一番町オフィス開発計画」、2028年には「仙台第一生命ビル建替計画」、2029年には「読売仙台ビル建替プロジェクト」が竣工予定と開発計画が続く。「lamroN仙台」は、地上7階建、ワンフロア約100坪という規模から、例年の新規需要面積を考慮すると、マーケットへの影響は軽微であると予測される。新規供給が出るタイミングで、一時的に空室率は上昇するが、全体の傾向としては、空室率の低下が続くと予想される。
仙台支店 後藤 拓己
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