福島市クリエイティブビジネスサロンから世界へ
福島市が舞台となるNHKの“朝ドラ”の放映に、復興五輪とされる東京オリンピックの開催。本来ならば2020年は、福島市にとってチャンスの年になる予定でした。
しかしそこに訪れたのが、コロナ禍です。あと1年で、東日本大震災から10年の節目を迎えようとしていたタイミングで、またしても誰も想像していなかった状況に。そんなピンチを乗り越え、チャンスに変えていこうと、新たに開設されたのが、「福島市クリエイティブビジネスサロン」です。シェアオフィスやコワーキングスペースを備えるこの施設を開設した経緯や展望について、木幡浩福島市長に聞きました。
福島市クリエイティブビジネスサロンは、シェアオフィスやコワーキングスペース、ミーティングルームなどを設けたビジネスの交流拠点です。福島商工会議所や福島県産業振興センターなどが入居する複合施設「コラッセふくしま」にあり、それまで市の産業について展示を行っていたスペースをリニューアルして、2022年4月にオープンしました。
シェアオフィスは、3名までの利用を想定した6室のほか、6名までの部屋を1室、8名までの部屋を1室と、計8室用意しました。コワーキングスペースは約60席あり、1時間あたり1名200円で利用できます。また、ミーティングルームは6名から8名程度の利用を想定した部屋を2タイプ用意し、それぞれ時間貸しを行っています。
スタートアップ企業はもとより、独立して働く起業家やフリーランスの方など、幅広い方々にご利用いただける施設になっており、交流スペースや地元企業の製品を展示するスペースも併設しています。福島駅西口から徒歩3分という便利なロケーションに位置し、コラッセふくしま内には観光案内所や物産ショップもあるので、出張で来たビジネスマンがサロンに立ち寄ってレポートなどをまとめ、その後、新幹線に乗って地元へ帰るという姿も見受けられます。
サロンの構想は、コロナ禍1年目の2020年の終わり頃にスタートし、21年初頭には予算を計上していました。開設に至る背景にはさまざまな経緯があり、そのうちのひとつはコロナ禍になって早々に始めた、「ピンチをチャンスにプロジェクト」です。福島市にとって2020年は、NHKの連続テレビ小説「エール」の舞台や、東京オリンピックの開催地になったりと、本来であれば復興から創生に向け、チャンスの年になる見込みでした。しかし、コロナ禍で一変してしまい、市としてどう対応するのか、考えなければならなくなりました。そのとき、私たちと同様にコロナ禍のために、仕事が急減したフリーランスのクリエイターが大勢いることを知りました。そこで、全国のクリエイターの皆さんに呼びかけ、市内の企業とタッグを組んでいただき、朝ドラ関連のグッズやサービスの開発をお手伝いしてもらうことにしました。
次に、福島市は特に東日本大震災以降、人口流出の傾向にあります。若い世代の皆さんに地元に残ってもらう、あるいは他から人を呼び込み、その活力を未来につながなければなりません。そのため、以前から工場や企業の誘致に取り組んできましたが、これからは市内で創業してもらう方向にも注力すべきだと考えていました。(※さらに充実!福島市の創業支援策)そのような中、昨年は市の支援制度を活用して移り住まわれた方が、前年の3.6倍になりました。中にはリモートで仕事ができるからと、転職することなく移住された方もいます。ならば、その時流に合わせ、リモートワークやワーケーションの拠点や、創業を後押しするような施設や施策があってもよいのではないか。そう考えるようになりました。
それで、構想から1年半と経たずに開設に至ったのが、福島市クリエイティブビジネスサロンというわけです。コロナ禍に対して受け身になるのではなく、攻め込んでいこう。ピンチをチャンスに変えようという思いでした。
福島市 商工業振興課 創業推進係ホームページは こちら から
サロンをつくる際には、国の地方創生テレワーク交付金を活用したほか、公募型プロポーザルを実施し、コンストラクションマネジメント業務を外部に委託しました。どのようなサロンにしたらよいのかご提案いただくとともに、品質や工程、コスト管理なども含めて工事をお願いし、私たちの考えに見合ったサロンをつくってもらうことができました。サロンの運営も、初年度の今年は市の管理委託としていますが、来年度からは指定管理に切り替え、事業者自身に創意工夫をしながら運営してもらおうと考えています。
また、福島市クリエイティブビジネスサロンは福島駅の西口側にありますが、駅の東口側では現在、展示会やコンサートなどに対応できるハイブリッド型のホールや商業フロアを備えた、複合施設の開発が予定されています。(※福島駅東口再開発事業の概要)東口側は市内随一の集積地である一方、いまは空き店舗が目立ちます。そのため、複合施設をきっかけにまずは人の流れをつくって、店を誘致し、さらにはサロンの利用者であるクリエイターの皆さんに、次なるステップとして東口側で事業を展開していただく。それが実現できれば、店を営む人とクリエイター、またクリエイター同士がお互いに刺激しあい、新たなビジネスが生まれる可能性も見込めます。もちろん、駅の東口側へ事業を拡大するときには、家賃の補助や空き店舗のリニューアル補助など、市としてもバックアップをします。まずはビジネスを始めるスタート地点として、福島市クリエイティブビジネスサロンを活用していただきたいと思います。
福島駅東口地区第一種市街地再開発事業 概要
コロナ禍というピンチをチャンスに変えようと、スピードと実行をモットーにサロンを開設しました。しかも、オープンしたら終わりではなく、サロンをきっかけに一石二鳥どころか、三鳥ぐらいの効果が生まれることをめざして取り組んできました。そのため、緊急会議も幾度となく行いましたし、市の職員たちもよくついてきてくれたと思います。おかげさまでオープン以来、シェアオフィスは満室です。とはいえ、コワーキングスペースもありますし、サロンの存在をもっと多くの方に知っていただけるよう、ビジネスモデルなども紹介しながら情報発信を続けたいと考えています。
福島市クリエイティブビジネスサロン施設概要
| 事業主 | 福島市 |
|---|---|
| 施設 | 福島市クリエイティブビジネスサロン |
| 所在地 | 福島県福島市三河南1-20 コラッセふくしま2階 福島市産業交流プラザ内 |
| 電話 | 024-572-4130 |
| 施設面積 | 約755㎡ |
| 竣工 | 2022年3月 |
| CBRE業務 | 施設のリノベーションに関わるコンストラクションマネジメント業務 |
東日本大震災では、原発事故も発生するなど、「フクシマ」はネガティブなイメージを抱かれがちでした。しかし、一方でその名は世界で通じるようになり、福島からグローバルに事業を展開すれば、印象に残りやすく、アドバンテージになるかと思います。また、現在は国家プロジェクトとして、県の沿岸部に新たな産業基盤の構築をめざす、「福島イノベーション・コースト構想」が打ち出されています。国内のみならず、世界中から最先端の技術が集まってくることでしょう。
福島市は沿岸部への玄関口であり、市内と沿岸部は車で1時間半ほどの距離です。復興事業で交通ネットワークが改善されたので、仙台はもとより、山形や相馬方面にも快適に移動できるようになりました。東京からも新幹線で約1時間半です。
福島市は自然が豊かで、人間らしく暮らすことができる街です。リモートワークやワーケーションにも最適な土地柄だと、自負しています。サロンもオープンしましたし、ビジネスを始める方はもちろん、市外からのオフィスの移転や支店の開設なども支援したいと考えています。費用的なサポートだけでなく、市自慢の温泉を最長3年間無料で利用いただけるフリーパスや、果物の木のオーナーになれる権利など、支援のかたちも福島市らしさのあるユニークなものになっています。これまでは復興に向け、世界中からエールをいただいてきましたが、その恩返しとして、働く場や暮らす場として魅力的になり、世界中にエールを送る立場になれたらと思います。
シービーアールイー CMソリューションズ株式会社
クライアントニーズの多様化に伴い2018年に設立したCBRE100%子会社です。
特定建設業を取得、あらゆるプロジェクトにおいて工事の一元管理を行います。
| 所在地 | 東京都港区芝公園2-4-1 芝パークビルB館13F(CBRE芝パーク支店内) |
|---|---|
| 代表取締役 | 梶浦 久尚 |
| 設立 | 2018年5月14日 |
| 許可/登録の種類 | ●特定建設業 東京都知事 許可(特-30)(特-2)第149171号 ●一級建築士事務所登録 東京都知事登録 第62713号 |
| 主な業務内容 | ●プロジェクトマネジメント業務におけるアットリスクCM工事請負 ●工事請負 ●設計施工 ●現場常駐管理業務 ●内装監理業務 ●原状回復工事請負 |









