3部門を新本社へ統合移転。
社員のコミュニケーションを活性化し、
新たな「TEDカルチャー」の創出へ!
東京エレクトロン デバイス株式会社
本社オフィス
半導体・電子デバイスの卸売からITソリューション、プライベートブランド製品までを手がける技術商社「東京エレクトロン デバイス」。1986年の設立以来、長らく横浜に本社を構えていたが、2024年10月、渋谷サクラステージSHIBUYAタワー34・35階へ移転。新宿を拠点としていたコンピュータシステム関連事業部も統合し、社名にもある「東京」を舞台に新たなスタートを切った。事業内容も働き方も異なる部門を一つのオフィスに集め、次なるステージを目指す東京エレクトロン デバイス。本社移転という一大プロジェクトに向け、議論を重ね、新しいオフィスのあり方を追求してきたチームの方々に、話を伺った。
将来に向けて決意した、新たな本社への移転
もともとは半導体製造装置メーカー「東京エレクトロン(TEL)」の半導体卸売部門であった「東京エレクトロン デバイス(TED)」。そこから分社し、1986年に独立。2006年には同じくTELからコンピュータシステム関連事業を承継し、現在はプライベートブランド製品の開発・販売も手がけている。半導体・デバイス、ITソリューション、プライベートブランドと3つの領域を事業の柱としているが、現在も事業の中心は卸売。今後は培ってきた技術と経験を活かし、メーカーになっていくことを方針に掲げているという。
近年の半導体市場を振り返ると、他の業界と同様にコロナ禍の影響は大きく、世界的に半導体不足となった。供給を担うTEDには、メーカーから先行受注が殺到し、売上高・利益ともに過去の記録を更新。その慌ただしさは昨年からようやく落ち着き、メーカー側も在庫を維持できるようになったという。そのように市場やビジネス、そして、人びとの働き方と暮らしが変わっていくなか、TEDの将来を見据えて実行されたのが、2024年10月、渋谷サクラステージSHIBUYAタワーで稼働を迎えた新本社への移転だ。
横浜と新宿の拠点を、「東京」へ統合移転
移転の計画が具体性を帯びてきたのは、2022年の春。TEDはTELからの分社後、本社を横浜市に置いていたが、後年に事業移管されたコンピュータシステム関連部門は、東京の新宿を拠点としてきた。また、横浜と新宿それぞれでメインオフィスとは別に、エンジニアが使う事務所が1ヶ所ずつあったという。
「横浜と新宿という離れた場所で、20年近く事業を行っていました。扱う製品やサービス、ビジネスの形態も異なりますが、一方では、物理的に離れていることが新しいビジネスを創出するうえでのネックになっているという声もありました。それらを統合し、それぞれのメンバーが同じフロアでコミュニケーションを深めていく。本社移転の目的はそれが大きかったです」。そう語るのは、ビジネスプラットフォーム統括本部 人事・総務センター 総務部 澤井隆太氏。社名に「東京」を冠しながらも本社は横浜。さらに旧本社は入居して15年ほどが過ぎていた。「採用でよい人材を確保するためにも、本社は東京にあったほうが有利だと思いますし、旧本社も長年使っていたので、心機一転という意味も含めた移転になりました」(澤井氏)。
統合移転のコンセプトを定め、
1年かけてオフィス候補を選出
2022年5月には、社の上層部を中心に検討が始まり、統合移転するTED本社の将来像について議論。コンセプトを「既存の枠を超え、新たな価値創造が加速するコミュニケーションセンター」と定義し、「社内外、各部門を越えたコミュニケーションの活性化」「個人の知見拡大、価値の創造が図れる場所と機会の創出」「魅力的で先進的なオフィス戦略で優秀な人材の獲得/確保」などが目的として定められた。
コンセプト決定後には、2拠点の統合や増員で必要となるオフィスの面積をはじめ、コロナ禍以降の働き方や出社率などについて議論。その後CBREも参画し、1年をかけて移転先候補を絞った。「社員たちの通勤を考慮すると、候補はターミナル駅周辺の物件に絞られていきました。最終的に残ったのは、品川駅と高輪ゲートウェイ駅、渋谷駅近くの3物件です。どの物件も駅からの距離に差はなく、ビルの構造やオフィスの形状、面積、BCP、賃料、移転したいタイミングに合うかどうか、それらを基準に比較したところ、最終的に満場一致で選ばれたのが、上下2フロアを借りられた渋谷サクラステージSHIBUYAタワーでした」(澤井氏)。
移転プロジェクトチーム発足!
テーマは【Meets Innovation】
2023年5月に移転先が決まり、夏には移転プロジェクトチームが発足。社内から20名ほどメンバーを募り、新本社をどのようなオフィスにするのか検討に入った。
プロジェクトリーダーには管理部門の執行役員が就き、総務部とIT部門のメンバーが事務局を担当。オピニオンリーダーには自由闊達な意見を求め、若手社員を選出し、それらをまとめ、アドバイスする立場としてコミュニケーションリーダーというポジションも設けたという。また、将来にわたってオフィスを使うことになる若い世代を中心に、家具を選定する特任チームも立ち上げた。
ビジネスプラットフォーム統括本部 ビジネスプロセスセンター マーケティングコミュニケーション部 部長 涌井理恵氏によると「プロジェクトのメンバーが最初に取り組んだのは、前年に決まった統合移転のコンセプトをベースに、移転後のオフィスのイメージを固めていくことでした」。
そのイメージから導き出したのが、【Meets Innovation】というテーマ。「業務を行うすべての場所をコミュニケーションが生まれる場であると考え、新たなTEDカルチャーをつくり社員同士の関係性構築を支援することで、多様で彩りのある働き方を実現し、成果の最大化に貢献できる環境を準備する。そう策定し、キーワードに表したのが【Meets Innovation】です」(涌井氏)。
これを指針にオフィスを具現化する要素を4つのカテゴリーに分類。チームに4つの分科会を立ち上げ、それぞれコミュニケーションを生み出すものとして、「プレイス(場)」「ツール(道具)」「情報(情報発信・イベント)」「ルール(ガイドライン)」について考えていった。
そして、オフィスづくりの参考にすべく、他社のオフィス事例を見学し、家具ブランドのショールームも訪問。【Meets Innovation】となるオフィスを目指し、議論を重ねたという。
交流を促し生産性を高める、オフィスならではの“目玉”
新本社は2フロアに分かれることから、上階を主に会議室、下階を執務フロアに。一部の部門を除いてフリーアドレスを導入し、下階はコミュニケーションとイノベーションを生み出す仕掛けとして、ゾーニングやレイアウトを工夫した。CN BU CNビジネス開発室 池上由夏氏は、「業務が異なる横浜と新宿のメンバーが交流し、新たなTEDの価値を生み出せるよう、コラボレーション執務エリアを設けたほか、語り合いながらランチなどを楽しめるリフレッシュエリアも用意しました」と強調する。
また、総務部 秘書 田中久美子氏によると「オフィスはL字型です。それでもコミュニケーションが生まれやすいよう、できるだけ壁や仕切りのない空間を目指しました」。
コラボレーション執務エリアとリフレッシュエリアは、人が集う「コワーキングスペース」として設定し、社内の情報発信やイベントにも活用。一方、「フォーカスエリア」は一人用の集中ブースやweb会議用フォンブースなど、個人の利用を想定した。
家具などの設備はエリアや部門、業務内容に合わせてサイズや機能などを選び、それぞれの場で快適かつ有効に使えるものを用意。「長時間座っても疲れない椅子など、出社して仕事をするメリットや魅力が感じられたり、来たくなるオフィスとはどのようなものか。その視点からも家具類を吟味しました」(涌井氏)。
オープンなテーブル席に複数人で集まってweb会議ができるブースや、上階に設けた入室5秒でweb会議を始められる会議室などは、「使いたい」「便利」と感じられるオフィスならではのもの。会議のために出社する社員に配慮し、オンライン予約もできるようにした。「会社に来たくなる“目玉”を配置するように心がけました。著名ブランドのコーヒーサーバーやお菓子を置いたドライパントリーも目玉で、若い社員を中心に導入のうわさがあっと言う間に広がりました」(池上氏)。
2フロアの新本社の面積は、旧拠点を合わせた広さよりも若干狭い一方、見通しのよさなど、開放感も感じられる。要因としては、フリーアドレスの導入で個人用の机やロッカーを減らしたこともあるが、コロナ禍以降、TEDでは無制限で在宅ワークを可能にしている点も大きい。「統合移転後、出社する機会が増えた社員もいれば、在宅勤務を選ぶようになった社員もいるなど、在宅ワーク率は旧拠点とほぼ変わりません。席数が足りなくなる懸念もありましたが、多くの社員たちは今の広さと席数が“ちょうどよい感じ”と喜んでくれています」(澤井氏)。
| 企業名 | 東京エレクトロン デバイス株式会社 |
|---|---|
| 施設 | 本社オフィス |
| 稼働開始日 | 2024年10月15日 |
| 所在地 | 東京都渋谷区桜丘町1-1 渋谷サクラステージSHIBUYAタワー 34・35階 |
| 規模 | 約1,800坪 |
| 人員 | 約900人 |
| CBRE業務 | 本社構築に向けた物件紹介・仲介 プロジェクトマネジメント オフィス設計 |








