H.U.グループホールディングス株式会社|プロジェクトケーススタディ

ケーススタディ
更新日 : 2024年03月12日掲載日 : 2023年11月07日
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グループの一体化戦略の推進!組織の飛躍と団結、 カルチャーの変革を起こし、ヘルスケアの新たな次元へ導く未来創造の拠点に!

H.U.グループホールディングス株式会社
本社オフィス

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オフィス中心部に位置する、H.U.グループを象徴するコンセプトエリア

検査・関連サービス事業と臨床検査薬事業、ヘルスケア関連サービス事業の3本柱を軸に展開するH.U.グループ。近年では検査情報のデジタル化を推進するとともに、ヘルスケア×ICT領域への展開を強化している。H.U.グループ一体化戦略のもと、2023年5月、本社を新宿から赤坂インターシティAIRへ移転。総務本部ファシリティマネジメント部がプロジェクト推進事務局となり、全社を巻き込みながら本社移転プロジェクトが進められた。プロジェクトリーダーとして新拠点の開設を率いた、総務本部ファシリティマネジメント部の塚田健二氏を取材した。

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エントランス〔本社〕

検査・関連サービス事業は業界トップ 2022年には世界最大級の検査ラボを設立

1950年に「富士臓器製薬」として創業したH.U.グループホールディングス株式会社。エスアールエルや富士レビオ、日本ステリをはじめ、傘下に30以上の子会社・グループ会社を擁する。社名の「H.U.」とは“Healthcare for You” が由来だ。全従業員は約5,400人。事業としては、検査・関連サービス事業(LTS)、臨床検査薬事業(IVD)、ヘルスケア関連サービス事業(HS)の3本柱で展開。LTSでは全国の医療機関から毎日20万件以上の検査を受託し、臨床検査市場においては23.4%※と国内トップシェアを誇る。 IVDはルミパルス(全自動化学発光酵素免疫測定システム)の販売に加え、専用試薬の供給というビジネスモデルにより安定した高収益を実現。業界としてLTSとIVDが同じグループの傘下にあることは珍しいが、これによりさまざまなシナジーが生み出され、技術推進や営業活性化に寄与している。HSは滅菌関連事業と在宅・福祉用具事業の2つの事業を行う。

2022年には東京都あきる野市にH.U.グループの中核施設「H.U. Bioness Complex」(愛称:AkirunoCube)を開業。約3万7千坪の広大な敷地に、1日数十万件の処理能力を持つ世界最大規模の自動化検査ラインと最先端の技術を有する臨床検査ラボラトリーや研究開発施設等で構成されている。従来の検査施設のイメージを覆す、緑に囲まれた環境においてH.U.グループを象徴する中庭・水盤を中心に回廊でつなぐ街スケールの施設は、明るく開放感があり心身豊かに働ける雰囲気が大きな特徴だ。総務本部ファシリティマネジメント部の塚田健二氏は、このH.U.グループ中核施設に機能集約する効果を次のように話す。「2016年に代表執行役会長 兼 社長 兼 グループCEOの竹内成和が社長に就任したのを機に、 H.U.グループ一体化戦略とカルチャーの変革が策定され、 “ヘルスケアにおける新しい価値の創造”の拠点として『H.U. Bioness Complex』が創設されました。これにより研究開発を例にいえば、以前は研究開発を各グループ会社がそれぞれで行っており、情報共有の面などで課題が生じていましたが、すべてのグループ会社が一体となって研究開発を行えるようになり、良いシナジーが生まれイノベーションを起こしやすい環境が整いました」。

※「2023年版 臨床検査センター経営総鑑」矢野経済研究所

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東京都あきる野市に開業したH.U.グループの中核施設 H.U. Bioness Complex

めざすべき未来に向けて、2拠点で新たな価値を創造していく

H.U.グループ一体化戦略における価値創造拠点として創設された「H.U. Bioness Complex」 に対し、未来創造拠点として位置付けられたのが2023年5月に移転した新本社だ。両者ともに施設コンセプトは“つなぐ、みせる、はぐぐむ”。前者の価値創造拠点は「さまざまな知見を持った人と人がつながり、その豊かな知見と技術を魅せて共有し、ヘルスケアの新たな共創が育まれる、人の命に寄りそう価値創造の拠点」。後者の未来創造拠点は「すべての社員の意思をひとつにつなげ、進むべき未来を描く舵取り役として、自発的な成長の可能性を育む、ヘルスケアを新たな次元へ導く未来創造の拠点」と設定された。「本社移転のきっかけのひとつには旧本社ビルの契約満了もありますが、それ以上にH.U.グループ一体化戦略の促進が大きな目的です。まずH.U.Bioness Complexを創設し、さらに新本社を構えることで、H.U.グループのMission・Visionの実現に大きく寄与すると考えました」(塚田氏)。

本社移転に向けた各種検討は2021年9月からスタート。総務本部ファシリティマネジメント部が事務局となり移転プロジェクトが進められた。さらにH.U.グループの未来をつくるという想いのもと「新オフィスの働き方ワーキンググループ」を発足。プロジェクトリーダーに塚田氏が就任した。参加メンバーは各子会社の経営層と一般従業員層をつなぐ部長や課長など約8人。月に2回ミーティングを行い、新オフィスのあり方を議論した。さらに竹内会長兼社長、各子会社の担当窓口、外部の協力会社と連携しながら推進。事務局会議は週に1回、竹内会長兼社長への報告は月1回というペースで行った。また社内報サイトにも本社移転プロジェクトという新たなカテゴリを作成し、さまざまな新オフィス情報や新たな働き方を発信。本社移転プロジェクトは全社を巻き込みながら進められたと言える。

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仕事の内容や目的に合わせ、適した席を選ぶことができる

新本社づくりで意識したのは会社間の枠をなくした経営層含めた縦・横のつながり

今回の移転では、オフィス環境としての機能性に加えBCPやセキュリティについても意識。旧本社ビルは随所で施設の経年劣化が目立ってきていた。ビルの非常時のBCP対応は各段に向上した。

「旧本社ビルはワンフロアの面積が広くなく、3フロアを借りていました。また南北2つに分断された構造だったので、オフィスが6分割されていた状態でした。フロアを跨いで仕事する社員は限られ、同じグループの社員とすれ違っても、同僚意識を持ちづらかったと言えます。このコミュニケーション不足を問題視し、H.U.グループ一体化戦略を加速させるためにも、新本社はワンフロア集中型であることを大前提としました」。

物件調査は2022年2月頃から開始。「募集面積」「賃料水準」「立地」等から候補を絞り込み、現地視察を踏まえながら、家主との交渉を行なった。約70の物件を検討する中、最終的に選んだのが「赤坂インターシティAIR」だ。耐震性能は消防署や病院に並ぶ最高レベルで、非常用発電は7日間と十分に長いこと、さらに竣工は2017年と新築同等の最新設備を備えていることが、人の命を扱う事業を行っているため事業継続の観点で決め手となった。

25階はワンフロアを丸ごと借り、オフィス機能を集約。加えて応接フロアとして26階の1区画を契約した。総面積は約930坪で、約830人が籍を置く。コミュニケーションの活性化に向けて、レイアウトはオープンスタイルを徹底した。ゆえに個室や死角もほとんどない。さらに事業セグメントレベルのグループアドレスおよび部長以下のフリーアドレス併用制を採用し、会社や部署を超えた交流を図った。また業務内容や気分に合わせて選べるエリアや什器を配置した。

『経営層と社員の縦のつながり』と『社員同士の横のつながり』というトップダウンとボトムアップをワンフロアで実現したのも、新オフィスのこだわりです。役員エリアはコア側に広く配置しています。デザインの方向性は多様な個(社員)が一体(H.U.グループ)になり、健康と医療の未来をつくる“未来創造”。そのコンセプトをしっかりデザインにも反映させることで、H.U.グループ一体化を社員が意識レベルで感じるようつくり上げました」。

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カフェテリアは face to face のコミュニケーションを重視し、交流の場としてオープンなイベントスペース利用もできる
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個室や死角をなくし、オープンで見通しのよいオフィスとした

H.U.グループ一体化に向けて、さらに会社間の壁を取り払いたい

2021年9月に本社移転に向けた各種検討を開始し、翌年9月の入居物件確定からわずか8ヶ月で新拠点を稼働させることができた理由を塚田氏はこう説明する。「私を含めファシリティマネジメント部メンバーのほとんどが各々のファシリティ関連業務の知識が豊富です。オフィス移転プロジェクトの段取りを熟知しています。設計や工期の短縮、交渉にも慣れていますし、一般的な企業の総務機能とは一味違うカラーだからこそスムーズに進められたと言えるでしょう。コンセプトやデザインを大事にする一方で、新しい働き方としてオープンスペース化により個室を減らし、設計段階で工事期間の短縮および工事費削減を図りました。また、FF&E(家具、備品、什器等)の一部は旧本社のものを転用すべく、デザインに配慮した転用計画をつくりました。一方で社員が集うコミュニティエリアには相応に投資するなど、メリハリを利かせたこと、また各種工事やFF&E等において最適な仕様で入札を行うことで、プロジェクト費用を大幅に低減することができました。これもCBREさんのご協力があってのものだと思います」。

移転プロジェクトを振り返ると、事務局や社内メンバー、外部協力会社に支えられたからこその成功と強調する塚田氏。「狙い通りのオフィスを構築した今後は、グループ会社間の意識レベルの見えない壁を取り払うべく、H.U.グループの新しい働き方を定着させることが課題。もっと社員間のコミュニケーションを増やしたい。また、グループ一体化に向けたソフト面の取り組みにも、注力していきたいですね」。

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会議室を大幅に減らし、窓側にガラス張りのブースを設置
企業名 H.U.グループホールディングス株式会社
施設 本社オフィス
本社移転日 2023年5月8日
業務開始日 2023年5月8日
所在地 東京都港区赤坂1-8-1 赤坂インターシティAIR
規模 約930坪(旧本社より面積4割削減)
人員 約830人
CBRE業務 賃貸仲介、移転プロジェクトマネジメント
上記内容は 「BZ空間」2023年秋号 掲載記事
です。本ページへの転載時に一部加筆修正している場合がございます。