生成AIの普及とデータセンターの地方分散|1.新たな需要の牽引役となる生成AI

DX戦略・AI活用
更新日 : 2026年10月14日掲載日 : 2025年07月30日
データセンター

※ 当レポートは2025年7月に発表されたものです。全3回のシリーズで発刊、本号は第1回となります

サマリー

生成AIは幅広い職種や業種で活用が進んでいる。また、生成AIの普及が進むことで、日本のGDPの27%に相当する新たな生産能力が生み出されるという推計もある。ただし、生成AIは大量の電力を消費するため、国内のデータセンターの需要電力は2034年までに約15倍に増加し、総需要電力の5%超を占める見込み。

生成AIに対応したAIデータセンターは、設備や躯体において従来のデータセンターに比べ高いスペックが求められる。一方、AIデータセンターは通信遅延に対する許容度が高い傾向にあるため、これまでデータセンターの開設がほとんどなかった地方エリアでの立地も選択肢に入る。

生成AIの普及と主なユースケース

1.1. データセンターの新たな需要の牽引役となる生成AI

2022年11月、米国のOpen AIによる「Chat GPT」のリリースを皮切りに生成AIブームが到来した。2025年2月にはOpen AIの週間アクティブユーザー数が4億人を突破したといわれている*1。生成AIは様々な職種や業種で生産性の向上や技術の継承、人手不足解消にも寄与するとの期待から、日本でも日常生活からビジネスまで幅広く活用が進んでいる。また、生成AIに関連したクラウドサービスや、事業会社のデジタルトランスフォーメーションも拡大している。これらを背景にインターネットを介した国内のデータ流通量の多寡を示すダウンロードトラフィックは5年前の2019年の同期に比べ、固定通信が2024年11月時点で約3倍、移動通信が2024年12月時点で約2.5倍となった(Figure 1-1)。急増したデータを保存・処理するには、より多くの高性能なサーバーやアプリケーションなどのコンピュータ資源が必要となる。データセンターはこうしたリソースを運用するための施設として需要が拡大するとともに、設備や躯体などスペックの向上も求められている。

今後、生成AIの普及とともにデータ流通量は爆発的な増加が見込まれている。生成AIのほか自動運転などの技術革新を要因として、国内の2040年の通信トラフィックは2020年の348倍に拡大するという試算がある*2。また、生成AIによって業務を補完することで148.7兆円の生産能力を日本の経済全体で引き出すことができるという推計もあり、これは2022年のGDPの27%に相当する。そして、産業別では製造業の潜在性が最も高いと推定されている(Figure 1-2)。

*1”OpenAI's weekly active users surpass 400 million”, Reuters, February 21, 2025
*2三菱総合研究所「情報爆発を支える新たな情報通信基盤の確立策を提言– 生成AIで加速するデータ利活用社会に向けて-」2023年9月(参照2025年6月5日)


Figure 1-1: 日本国内における固定通信と移動通信の各ダウンロードトラフィック

Figure 1-2: 生成AI によって引き出される可能性のある日本の生産額

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