はじめに
「データセンターを探しているが、何を基準に選べばいいかわからない」企業のIT担当者やインフラ責任者から、このようなご相談をいただくことは少なくありません。
実際、データセンター選定では「ラック単価」「立地」「電力容量」など個別の条件に目が向きがちです。
しかし、契約後に
電力が足りない
増設できない
リモートハンズの対応が不十分
災害対策の要件を満たせない
といった問題が発覚するケースもあります。
なぜなら、データセンター選定は単なる不動産選びではなく、「ITインフラ戦略の意思決定」だからです。
そこで今回は、実際の選定プロセスで活用できるシンプルなチェックリストを紹介します。
まず確認したい「何のために借りるのか」
データセンターを比較する前に、まず明確にしたいのが利用目的です。
例えば、
オンプレミスサーバーの移設
DRサイトの構築
GPUサーバーの設置
クラウドとのハイブリッド環境構築
では、必要となる設備や立地が大きく異なります。施設を比較する前に、「何を実現したいのか」を整理しておくことが重要です。
データセンター選定で失敗しないための9つのチェックポイント
① 設置スペースは十分か
現在の要件だけでなく、3年後から5年後の拡張も見据えることが重要です。
② 電力は本当に足りるか
近年、もっとも重要度が高まっているのが電力です。 特にAI関連システムでは、高密度ラックへの対応が求められます。 「今必要な電力」だけでなく、「将来どこまで増やせるか」を確認しておくことが重要です。
③ 冷却能力は十分か
電力とセットで確認したいのが冷却性能です。 AIサーバーや高性能GPUの普及により、従来の空冷だけでは対応が難しいケースも増えています。
④ ネットワーク接続性は十分か
同じエリアにあるデータセンターでも接続性は大きく異なります。ネットワーク要件は後から変更しにくいため、初期段階で整理しておきましょう。
⑤ 立地とBCPを考慮できているか
コストや利便性ばかりに目が向くと、災害リスクを見落としがちです。重要システムを収容する場合は、地理的分散も重要な選定要素になります。
⑥ 信頼性レベルは要件に合っているか
すべてのシステムに最高レベルの設備が必要とは限りません。重要なのは、システム要件に適した信頼性を選択することです。
⑦ セキュリティ要件を満たしているか
物理セキュリティはデータセンター利用の大きなメリットです。
⑧ 運用負荷を見落としていないか
契約後に問題になりやすいのが運用面です。特に遠隔地のデータセンターを利用する場合は、リモートハンズの品質が運用品質を左右します。
⑨ コスト全体で比較しているか
月額費用だけで比較すると、想定外のコストが発生する場合があります。「月額単価」ではなく「3年間総コスト」で比較することをおすすめします。
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まとめ
比較の前に、要件整理から始める データセンター選定で重要なのは、「どの施設が良いか」を考えることではありません。
その前に、
自社に必要な電力は何kWか
BCP上どの立地が望ましいか
運用体制をどうするか
将来どれだけ拡張するか
を整理することが重要です。
要件が明確になれば、候補施設の比較は格段にしやすくなります。 CBREでは、立地選定から候補施設の比較、契約条件の調整まで、データセンター戦略を総合的に支援しています。 まずは本稿のチェックリストを活用し、自社に必要な要件整理から始めてみてはいかがでしょうか。
