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リテール

REBALANCE | 賃料調整が進む


コロナ禍によって消費が低迷するも、6月以降は持ち直しの兆し


新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響を受け、2020年のリテール関連指標はいずれも低迷した。特に、4月・5月の関連指標は軒並み過去最大の落ち込みをみせた。感染抑制のための営業自粛の要請、消費者マインドの悪化、インバウンド需要の激減などによるもの。ただし、緊急事態宣言解除後の6月以降はマイナス幅が縮小、持ち直し傾向にある。

7-9月期の実質国内総生産(GDP)は対前期比5.0%増と、4-6月期の同8.2%減から大きく反発した。中でも、GDPの半分以上を占める個人消費が同4.7%増と、1980年以降で最大の伸びとなった。緊急事態宣言解除後の経済活動の再開や、政府による国民一律10万円の特別定額給付金、観光支援事業「Go Toトラベル」の効果などが寄与したとみられる。

9月の小売業販売額は対前年同月比8.7%減(FIGURE 1)。4月の同13.9%減を底として8月には同1.9%減まで持ち直したが、2019年の消費税増税前にみられた駆け込み需要の反動などが影響した。9月の全国百貨店売上高は対前年同月比33.6%減。4月の同72.8%減を底として8月には同22.0%減まで持ち直したが、駆け込み需要で伸びた高額品などの反動が影響した。

Figure 1

10月の消費者態度指数(二人以上の世帯、季節調整値)は、対前月比0.9ポイント上昇の33.6と2カ月連続で上昇した(FIGURE 2)。4月の21.6(同9.3ポイント低下)は、現在の調査方法となった2013年以降で過去最低、下げ幅も過去最大だったが、5月以降は持ち直しの動きが続いている。コロナ禍以前の水準には届いていないものの、消費者マインドは改善している。

Figure 2

一方、リテーラーの出店ニーズや賃料の上昇を牽引したインバウンド需要は、ほぼ消失したままだ。10月の訪日外客数は対前年同月比98.9%減(FIGURE 3)。4月以降、前年同月比で約99%の減少が続いている。政府が入国規制の緩和をはじめているが、しばらくはビジネス目的や長期滞在者に限定される。そのため、観光客の回復にはしばらく時間が掛かることが予想される。

Figure 3

 

出店ニーズの減少に伴い、銀座ハイストリート賃料は下落の傾向


2020年のリテール賃貸市場は、COVID-19感染拡大の影響を大きく受けた。既存店舗の売り上げが減少した多くのテナントが、物件オーナーに対して賃料減額や支払い猶予などの支援を要請。要請を行ったテナントの業態は幅広く、インバウンドの売上比率が高かったテナントのみならず、国内消費者をターゲットとしていたテナントも含まれていた。

銀座では、従前より業績不振だったテナントが、コロナ禍を契機に退店を決めたとみられる事例が複数あった。また、募集物件の中には入居の協議をしていたリテーラーとの交渉が一旦ストップした事例があった。ただし、コロナ禍以前に賃貸借契約を締結していたリテーラーからは、違約金を払って契約を解除したという事例は、ほとんどみられなかった。

2020年Q3の銀座ハイストリート空室率は、対前期比0.9ポイント上昇の2.6%(FIGURE 4)。前年同期を0.6ポイント上回った。コロナ禍による業績不振を理由とした退店がみられつつある。しかしハイストリートの中でも好立地の物件については、後継テナントとして複数のリテーラーが出店を検討している。ただし、賃料目線は相場並み、ないしは相場を下回っている。

Figure 4

銀座ハイストリート賃料は、2017年から2019年にかけて上昇基調が続いたものの、2020年Q2は2019年末比2.2%減の25.22万円*2、2020年Q3は対前期比2.1%減の24.7万円となった(FIGURE 5)。下落の背景として、即入居可能な空室ならびに潜在的な空室の募集が増えていること、さらに比較的高額な賃料の支払いに慎重姿勢のリテーラーが増えていることが挙げられる。

Figure 5

一方、銀座4丁目の交差点に近い稀少な一等地の物件には、高額な賃料を支払ってもよいと考えるラグジュアリーブランドが存在する。そのため、2020年Q3のプライム賃料は40万円/坪と、20期連続*3の横ばいとなった(FIGURE6)。コロナ禍で業績を落としたラグジュアリーがある一方、株高を背景に売り上げが好調な高級時計などの出店ニーズがみられた。

Figure 6

 

現状を好機ととらえた立地改善や面積の適正化による移転ニーズ


COVID-19感染症の収束が見えない中、2021年の銀座エリアのリテール賃貸市場は、出店ニーズの牽引役が不在となりそうだ。ただし、出店ニーズとして3つのポイントが挙げられる。1つ目は、既に銀座エリアに出店しているリテーラーによる移転だ。移転理由として、既存ビルの建て替えや定期借家契約の満了、立地改善や面積の適正化などがある。

コロナ禍以前は、建て替えに伴う移転ニーズを持つリテーラーから、銀座エリアの店舗維持のためには相場を超える賃料もいとわない姿勢がみられていた。しかし現在は、好立地の募集物件が複数あり、よりよい賃貸条件で出店できる可能性を探るなど、物件選定に時間を掛けている。インバウンド需要や来街者数が減少しており(FIGURE 7)、急ぐ必要性もなくなっている。

Figure 7

立地改善や面積の適正化を考える多くのリテーラーは、好立地の募集物件が複数ある現在の市場を好機と捉えている。中には、既存店舗の契約が残存するリテーラーが、後継テナントを探しつつ移転先を検討している事例が複数ある。日本ではCOVID-19の感染者数が比較的抑制されていることを踏まえ、移転に前向きな海外ブランドもみられる。

2つ目は、銀座エリアに路面店舗がないリテーラーによる新規出店だ。その多くは、コロナ禍による業績へのマイナスの影響が比較的小さかった、またはブランドの認知度を向上させたいリテーラーだ。希少な一等地を除けば賃料相場が下がっているため、予算内で希望条件に合う物件を借りられるようになったリテーラーが、出店に一層前向きになっている事例がある。

3つ目は、ラグジュアリーブランドによる出店ニーズだ。コロナ禍によって2020年のラグジュアリー市場は縮小したものの、もとより利益率の高いビジネスモデルであるため、企業体力がある。そのため、出店エリアはハイストリートの中でも好立地に限定されるものの、ブランドの出店戦略に合致する物件があれば、コロナ禍以前の賃料水準で獲得に動く可能性がある。

 

2021年の賃料はさらに落ち込むも、2022年Q1には上昇に転じると予測


Figure 8

銀座ハイストリート賃料は、2016年Q2をピークに下落したものの、2017年Q3には底入れした。その後しばらくは横ばいが続き、2018年Q4と2019年Q3にそれぞれ対前期比0.8%上昇。しかし、2020年に入ってCOVID-19感染拡大の影響を受け、2020年Q2は同*52.2%減、2020年Q3は同2.1%減となり、現在は24.7万円/坪となっている。

*5. 新型コロナウイルス感染拡大の状況に鑑み、2020年Q1はプライム賃料、ハイストリート賃料、空室率の集計をおこなっていない。賃料については、成約事例の大幅な減少により賃料想定が困難になっていたこと、空室率については、感染リスクを考慮し繁華街での調査を控えたことによる。

2021年の賃料はさらに落ち込むことが予想される。理由として3つ挙げられる。1つ目は、これまでの賃料上昇を牽引したインバウンド需要の回復に時間が掛かりそうなこと。2つ目は、外出自粛やテレワークの浸透などによって、エリアの来街者数がコロナ禍以前の水準には戻っていないこと。3つ目は、募集物件が増えたことでリテーラーの選択肢が広がり、賃貸条件を吟味しながら物件の選定に時間を掛けていることだ。

そのため、銀座ハイストリート賃料は2021年Q4までの1年の間に、2020年Q3時点の24.7万円から7.5%下落することを予測する。2021年夏に延期された東京オリンピックは、予定通り開催されるとしても規模が縮小される見通しだ。そうであれば、従前の見込みに比べて経済波及効果が小さくなるほか、消費者マインドやリテーラーの出店ニーズも、コロナ禍以前の水準には届かないことが考えられる。

ただし、経済の回復が続くことによって2022年Q1には賃料が上昇に転じるとみられるため、向こう2年間では4.3%減を予測する。なお、銀座4丁目の交差点に近い超一等地を対象としたプライム賃料は、横ばいで推移すると予測する。リテーラーの出店ニーズは減少しているものの、株高による資産効果などを背景に、出店に前向きなラグジュアリーブランドがみられていることが理由となる。

CBREが2020年10月に行ったテナントアンケート*6では、リテーラーの出店意欲が感じられている(FIGURE9)。今後、12か月の実店舗に関する計画について訊いたところ、65.6%が「新規出店をする」と回答、最も高い割合となった。多くのリテーラーが、マーケットや物件の調査を行いながら、ブランド戦略に合った出店機会をうかがっていることが示唆される。

*6. 主要なリテールエリア(銀座、表参道・原宿、新宿、渋谷、栄、心斎橋、天神)に路面店舗を出店しているリテーラーを対象とした。

Figure 9

 

不動産マーケットアウトルック2021

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