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投資

REVISIT | 安定志向に加え、成長志向の投資も再始動


2020年コロナ下の不動産投資市場は物流施設と住宅の投資額が増加


2020年Q1からQ3までの累計投資額は2兆6,240億円で、前年同期比3%増となった。新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の対策により経済が停滞するなか、収益が相対的に安定しているとみられる物流施設と住宅の人気が高まった(FIGURE 1)。両アセットの累計投資額は1.2兆円と、対前年同期比95%増加した。一方で、リモートワークの導入により働き方の変化が加速し、オフィスについては中長期的な需要見通しに対する不透明感が高まった。これを受けてオフィスの累計投資額は8,980億円と、同11%減少した。

Figure 1

 

投資額増加を牽引したのは海外投資家


国内投資家によるQ1からQ3までの累計投資額は、J-REITが8,604億円で対前年同期比19%減少、J-REIT以外の国内投資家も7,720億円で同22%減少した(FIGURE 2)。J-REIT以外の国内投資家の投資額減少の理由は、緊急事態宣言下の4月から5月までの間に、中止や延期された案件が増加したことに加え、コロナ禍の影響で様子見の姿勢が広がり、新規案件が減少したためと考えられる。

Figure 2

一方で、海外投資家による累計投資額は9,900億円で、対前年同期比103%増加。海外投資家の投資額が増加した要因は3つある。1つ目は、世界的な低金利政策が続き、運用難に直面した機関投資家の資金が、相対的に利回りが高い不動産投資に流入していること。2つ目は、COVID-19感染拡大による日本の不動産投資市場への影響がこれまでのところ欧米に比べて小さいことや、政治情勢が比較的安定していることによる安心感。3つ目は、日本のキャップレートスプレッドが相対的に厚いこと。これらの要因により海外投資家による大型取引は増加し、Q3までの累計投資額はすべてのアセットタイプで前年同期を上回った。海外投資家によるアセットタイプ別の投資額割合は、住宅が39%、オフィスが30%、物流施設は17%となった。特に住宅の投資額は前年の1.7倍に達した。

 

J-REITの投資額減少は軟調な株価が主因


一方で、J-REITのQ3までの累計投資額が前年同期に比べて減少した主因としてはJ-REITの株価が軟調に推移し、公募増資が抑制されたことが挙げられる。J-REITが公募増資を通じて調達した資金の総額は、Q1からQ3までの累計で3,434億円と対前年同期比22%減少した。また、J-REITの不動産投資額も、3四半期累計で8,604億円と同19%減少した。ただし、物流特化型J-REITの株価は堅調に推移した。2020年初からの株価を比べると、11月末時点の東証REIT指数は1月から20%下落したのに対して、物流施設特化型J-REIT(全7銘柄)の株価指数は16%上昇した(FIGURE 3)。堅調な株価を背景に物流施設特化型リートによる公募増資による資金調達額は3四半期累計で1,920億円と同70%増加。その結果、J-REITによる物流施設の累計投資額は4,589億円で同56%増と、全アセットタイプの中で唯一前年の水準を上回った。

Figure 3

 

2021年、日本の投資家の投資意欲は回復、海外資金も引き続き流入するとみられる


日本の投資家の投資意欲はコロナ禍を受けて一時的に減退したものの、年後半に入ってからは回復している。CBREが2020年11月に実施した投資家調査*によれば、2021年の取得額は前年以上(=「前年と同じ」+「前年を上回る」)と回答した投資家の割合は94%と、前年の調査結果(93%)と同等の高水準となった(FIGURE 4)。また、2021年も機関投資家を中心とした海外投資家による活発な投資が続くだろう。世界的な低金利政策は今後も続くと予想されるため、機関投資家は利回りの高い不動産投資に資金を引き続き振り向けると考えられる。CBREの推計では、アジア太平洋地域の不動産を対象にしたクローズドエンドファンドが今後3年から5年の間に投資するエクイティ総額は約570億ドル(およそ6兆円)に上る。その多くが日本の不動産市場に向けられると考えられる。

*速報値(確定値は2月発表予定)

Figure 4

 

安定性が重視される一方、ポストコロナを見据えた投資が始まる


2021年も景気変動に影響を受けにくい、安定した収益が期待できるアセットタイプが引き続き選好されるだろう(FIGURE5)。特に、物流施設は巣ごもり消費によりeコマースの利用が急増したことで、テナント需要は引き続き堅調である。物流施設の投資を新たに始める投資家も散見されており、売買市場では投資家間の競争が激しくなりそうだ。

Figure 5

一方で他のアセットタイプについては、コロナ禍の影響により2020年Q2以降、テナント需要の減退がみられ始めた。オフィスは感染症対策による景気後退で、二次空室の発生や一部解約が散見されていることから、東京ならびに複数の地方都市で賃料は弱含むと予想されている。また、インバウンド需要に対する依存度が高かった都心のリテールやホテルでも、当面は需要の大きな回復は見込みにくい状況だ。

ただし、ポストコロナを見据えた長期投資の観点からは、オフィスやホテルに対する投資家の関心は高いと考えられる。投資家は、オフィスに対して、テナント層が厚いことや、まとまった投資規模を一取引で確保できる案件が多いことなどを評価している。また、ホテルについては、ディストレスアセットとして投資家の関心が高い。インバウンド需要が回復すれば収益の改善が期待できることから、割安で取得できる可能性があるホテル売買マーケットは重要な投資チャンスの場となろう。

 

注目を集める投資対象


コロナ下で注目が高まっている投資対象は他にもある。中長期的に投資市場の拡大が期待されているデータセンターと、コロナ禍によってマイナスの影響を受けた事業会社による資産売却だ。

データセンターに関心を持つ投資家は感染拡大後も徐々に増加傾向にある。CBREが四半期毎に実施している投資家調査によれば、2020年Q3時点で「データセンターへの投資を検討している」と回答した投資家は全体の22%を占め、感染拡大前(2月)の2020年Q1(18%)よりも増加した。感染抑制を目的にしたリモートワークの急激な普及でデータ流通量が増加していることや、安定した収益、そして他のアセットタイプに比べて相対的に高い利回りを期待できることが投資家の関心を高めていると考えられる。実際の投資機会としては、市場で流通する収益物件は非常に少ないため、オペレーターからのセール・アンド・リースバックや開発が中心となっている。

投資市場では事業会社によるノンコアアセットの売却やセール・アンド・リースバックの案件が増加している。物件はオフィスや店舗、工場の跡地など様々で、買主はファンドや不動産会社など。投資家の関心は高く、希望価格を上回る取引もあったようだ。ただし、買い手が決まるまでに時間がかかる案件の中には、自社使用を目的にした物件のため複数テナントへの賃貸を想定しない仕様であったり、自主管理だったために収益不動産としての品質レベルを満たしていないなど、投資家が取得を検討しづらいケースもある。事業会社が希望通りに売却するためには、賃貸および投資市場を綿密に調査した上で戦略を組み立てることが重要となるだろう。

 

2021年投資額は横ばい、自己資金力を備える投資家が牽引


CBREでは東京の3つのプライムアセットの取引利回りを四半期毎に推定している。安定したテナント需要や流動性の高さから、プライムアセットに対する投資家の投資意欲は高く、コロナ下のマーケットにおいてもそれは変わらない。ただし、今後予想されるテナント需要の変化や賃料動向を背景に(FIGURE 6)、投資家需要の強弱はアセットタイプによって異なると考えられる。2021年の東京のプライムアセットの利回りは物流施設のみが低下、オフィスと商業施設はやや上昇すると予想する(FIGURE 7)。

Figure 6
Figure 7

2020年通年の総投資額は、前年とほぼ同程度での着地と推定する。さらに2021年も、2020年の推定投資額からほぼ横ばいと予想する。2020年に見られたような1000億円を大きく上回る超大型案件が出てくる可能性は今のところ低いものの、その分、中小規模の案件が2020年に比べて増えると想定した。世界的に低金利政策が続くなか、機関投資家の資金は、相対的に利回りが高い不動産投資に今後も向かうだろう。また、セール・アンド・リースバックを検討する事業会社が2020年下期から増えており、これらの成約も2021年に本格化すると考えられる。

ただし、未だ殆どのアセットタイプの価格水準は、感染拡大前と変わらない水準にある。投資家にとって資金調達環境は未だ比較的良好ではあるものの、感染収束までの期間が長期化すれば、レンダーは選別姿勢を強めるだろう。物件の属性によっては、必要な額のノンリコースローンが調達できないケースも2020年は散見された。2021年も、マーケットの牽引役は自己資金力が高い投資家や事業会社などが中心となるだろう。

不動産マーケットアウトルック2021

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