2020年に入り、新型コロナウィルス(COVID-19)の流行は、アジア太平洋地域の経済に影を落とし、世界経済の成長に下振れリスクを呈している。

短期的な影響は甚大で、感染の動向と共にさらに影響は広がりつつある。中国における生産の一時停止により、サプライチェーンは寸断、保健衛生に対する懸念および国内外の渡航制限は消費活動に大きな影響を及ぼし、消費者は人込みを避け、不要不急の外出を避けている。アジア太平洋地域と世界の観光および航空業界は深刻な打撃を受けた。

COVID-19には不明な点が多く、いつ収束するかを予測することは難しい。ただし、ウィルスの流行は2020年上期末までに収束するというのが現時点でのコンセンサスのようだ。しかし、影響の度合いと範囲が広がるなか、不動産市場においては長期的な影響についての関心が高まっている。

CBREの当レポートでは、このウィルスの流行がこれまでにアジア太平洋地域の不動産セクターにどのような影響を与えているかを説明するとともに、同地域の不動産市場にどのような変化をもたらすかについて考察する。